あなたが考えているより「補聴器」は役に立つ

ミラ子と補聴器

Last Updated on 2020年12月28日 by 補聴器専門店ミラックス

あなたが考えているより「補聴器」は役に立つ

聴覚は重要な感覚

 人は、妊娠5か月~6ヵ月くらいから音を感じはじめます。おなかの中からすでにお母さんの声を骨伝導で聞いているのです。そして、生後、いろいろな音を認識し始め、1歳を過ぎたころから言葉を理解するようになります。それからは学習の毎日で、コミュニケーションツールとしての言葉をどんどん吸収し、耳から入ってきた音情報をどんどん結び付けていきます。ですから、聴覚というのは、人間の感覚の中で最重要感覚器官と言えるかもしれません。もちろん言語獲得の他にも、方向感や危険回避のためにも聴覚は重要な働きをしています。ちなみに、人生の最期を迎えるとき、聴覚は最後まで残っていると言われています。

 

難聴と補聴器普及率

 2018年のWHO(世界保健機関)の試算によると、世界で4億6600万人、65歳以上の3人に1人が日常生活に支障をきたす難聴に悩まされているとのことです。今後、高齢化が進むにつれて、さらに増加することが予想されています。しかし、難聴に対する解決策の大本命である補聴器の普及率は全体的に低く、難聴の自覚がある人の60%~80%は難聴のまま、何の解決策も求めていないという問題があります。つまり多くの人々が、聞こえにくい状態で生活をしているわけです。

 

難聴放置の問題点

 日本は先進国の中でも特に補聴器の普及率が低いのですが、難聴が生活の質に与える影響は、考えられているよりも大きく、時には深刻です。それはつまり、人とのコミュニケーションの方法が根本的に変化してしまうことにあります。

 会話でのコミュニケーションは、相手に自分の気持ちを伝えるのにとても適しています。その逆もしかりで、相手の気持ちを簡単に受け取ることができるのです。そこで、聞こえに問題があるとスムーズなコミュニケーションを取ることが困難になるため、時には曖昧に、時には誤解を生み、関係が悪い方向に向かう可能性があるのです。

 

狭くなる社会交流

 人とのつながりは、社会とのつながりでもあります。高齢者は仕事世代と比べると、どうしてもコミュニティーが狭くなりがちです。そのような環境で聞こえに問題が生じると、意思疎通を面倒なこととして、ますます社会との交流が狭くなり、孤立感が増してしまう傾向にあるのです。

 補聴器を使用することは、人とのつながりに役立ちます。それは、使用者はもとよりその家族、友人までにも影響していきます。聞こえに問題がなかった時には、当たり前過ぎてその重要性に気が付くことはありませんが、繰り返しの聞き返しや聞き間違いは、少しづつですが、難聴者とその周囲の人々にストレスとして確実に蓄積されていきます。

友人との会話

補聴器の満足度

 補聴器の満足度は、第一に補聴器の性能と音質、次に補聴器をセッティングする専門家のサポート、そして、補聴器のサイズや見た目、購入後のメンテナンス体制などが挙げられます。最新のデジタル補聴器は、さまざまなテクノロジーを搭載し、あなたにとって、より良い聞こえのために働いてくれます。

 

認知症のリスク軽減

 メルボルン大学の研究によると、補聴器の早期使用は、認知症のリスクを軽減するうえで最も重要な要因とされています。そして、研究参加者の3分の1は、18ヵ月間の補聴器装用をした後、認知率が改善したという報告もあります。良い聞こえは、認知的な健康をサポートしてくれるのです。

 

聴覚のリハビリテーション

 難聴というのは、リハビリテーションを行えば年齢に関係なく改善が期待できます。残念ながら完治することはありませし、限界があることも事実ですが、聴覚は脳の働きなので、音情報を脳に伝えることによって改善させることは可能なのです。

 耳、中でも蝸牛と呼ばれている器官は、音情報を効率的に電気信号に変換し、脳に送る働きを担っています。補聴器は、上手く音情報を伝えられなくなった耳(蝸牛)の代わりに働きます。その増幅された音情報を最終的に脳が認識します。

 補聴器の役割は、低下している周波数帯を補聴器によって増幅し、脳に必要な信号を送る手助けをすることです。ですが、、今まで静かだったところにいきなり多くの音情報を与えると、脳の情報処理が追いつかなくなり、とてもうるさく感じてしまいます。そこで、少しづつ情報量を増やしていき、最終的にはさまざまな音情報を脳に認識させていくことが聞こえの改善につながるのです。まさに、補聴器の装用は、聴覚のリハビリテーションと言えるのではないでしょうか。

補聴器のラインナップ

良い聞こえになるにははじめが肝心

 補聴器による聴覚のリハビリテーションは、最低でも2か月~3ヵ月は必要になります。その間に補聴器の専門家と相談しながら調整を行っていくことが、とても重要になってきます。装用当初の、音に敏感な時期を過ぎれば、そのあとは、さまざまな音に対して脳が許容できている状態なので、不必要にうるさく感じることはありません。

 

会話はあなたの人生を豊かにします

 自分の聴覚を補聴器で取り戻したら、積極的に会話を楽しみ、人生を豊かにしていきましょう。

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