固定電話の声が聞こえにくい時の4つの対処法

電話が聞き取れないミラ夫

Last Updated on 2023年9月7日 by 補聴器専門店ミラックス

固定電話の声が聞こえにくい時の4つの対処法

「電話がかかってきても、相手が何を言っているのかわからないから電話に出たくない」

「電話だと時刻や金額などの数字を聞き間違えることが多い」

「普段は聞こえているのに電話だと音声がこもって聞きにくい」

「人によって聞きにくい時がある」

理由は難聴であったり、電話機の問題であったりいろいろ考えられます。

 

いつの間にか電話に出るのが億劫になる

電話が聞きにくいと感じている人はかなり多いと思います。

どのくらいいるかというと、日本国内では、推定1430万人以上と言われています。

自分が難聴であると感じている人がこのくらいいて、その他、自分で気が付いていない人もたくさんいるはずなので、実際はもっと多いでしょう。

 

電話は相手の顔が見えないので、その表情から内容や感情を推察することができない、そのため普段の会話以上に聞きにくくなる。

電話での聞き返しは双方にとってとてもストレスになる。表情がわからない分、あらぬ誤解を生むことだってある。そうなってくると、電話を取ることを避けるようになってきて、社会とのかかわりが少しづつ薄れていくこととなる。

出来ることなら家族や友人との会話を楽しみたいし、必要な情報を確認できるようにしておきたい。

電話が聞きにくいのには理由があります。まずはその理由を知って、正しい対策を取りましょう。

はじめに知っておきたいこと

固定電話

受ける電話によって、聞きやすかったり、聞きにくかったりすることがある。最近の固定電話はアナログ回線と光回線が混在しているので、相性によっては聞きやすくも聞きにくくもなる。

アナログ回線は音声をそのまま銅線にのせて伝達します。アナログ信号は距離が長くなればそれだけ劣化して聞きにくくなります。今でも多くの家庭で使用されています。

光回線は光ファイバーケーブル回線を使用するもので、音声はデジタル信号に変換されて伝達されます。そのため音質の劣化などはなく、距離も関係ありません。基本的にインターネット接続のオプションとして契約することが多く、それ単体での契約はありません。

周波数の違い

アナログ回線のコーデックは300Hz~3400Hzを対象にしているのに対して、光回線のコーデックは100Hz~7000Hzを対象にしています。

コーデックとはデータの圧縮、変換やデータの復元を行うプログラムのことです。これが優秀だと高音質で安定した音声通信が可能となります。

まず、人の可聴閾値は20Hz~20000Hzですが、実際に会話で必要な周波数帯域は125Hz~8000Hzくらいです。これは聴力検査で測定する帯域で、補聴器はこの範囲の音声を再現しています。

なので、アナログ回線と光回線ではそもそも音声の情報量に差があるのです。特に4000Hz以上の周波数帯域は言葉の明瞭度に関係してきますので、聞き比べてみると周波数帯域が狭い方が音声がこもって聞こえます。

光回線にしても音質は変わらない?

光回線を引いて高音質の電話機を設置しても実際は音質が変わらないことが多いです。

なぜなら、電話は相手がいての電話です。つまり、相手の電話機が従来の狭い周波数帯域を使用していると高音質の音声通信はできなくなり、音質は落ちてしまうのです。まだまだ従来のアナログ回線を使用している場合が多いため、回線環境や高音質電話機を変えてもあまり意味がありません。

 

携帯電話の方が聞き取りやすい?

固定電話と比べると、携帯電話の方が聞きやすく感じている方も多いのではないでしょうか。

携帯電話は音声通信の技術が進んでいるので、従来よりも高音質でハッキリと聞き取ることが可能になってきています。

携帯電話の通信も、3Gは300Hz~3400Hzと狭い周波数帯域ですが、4GのVoLTEだと50Hz~7000Hzまで対象となっているので従来よりもハッキリと聞こえます。各キャリアがVoLTEサービスを開始したのが2014年からなので、今では、ほとんどの人がVoLTEを利用しているものと思われます。

しかし、ここでも全てが高音質になるわけじゃない、とても残念な事実があります。

それは、このVoLTEサービスは、まずキャリアが同じでなくてはなりません。ドコモならドコモ同士、auならau同士じゃないと従来通りの音質になってしまうのです。また、同じ理由から固定電話や公衆電話からの通話も従来通りの音質になってしまうのです。もちろん相手がVoLTEじゃなければ、やはり従来通りの音質となります。

相手によって音質が変わってしまうので、自分でどうにかしようと思っても限界があります。


 

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4つの対処法

 

  • 受話音量増幅器を受話器に取り付ける
  • 音声を大きくできる電話機に変える
  • メインを携帯電話にする
  • 補聴器をする

 

受話音量増幅器を受話器に取り付ける

この方法は一番簡単でコストも安いです。

2種類あり、受話器の耳当て部分に固定するタイプと、電話機本体と受話器の間につなぐものとあります。どちらも電池式となっています。

前者は着脱が簡単なので手軽に試すことができます。ただし、音を大きくするだけの集音器のようなものなので、音質は良くありません。後者のものは受話器が本体と話すことができないタイプは使用できません。

音声をボタン一つで大きくすることができる電話機に変える

これはボタンを押すことで相手の声が大きくなり、同時に高音も強調してくれる機能を持った電話機です。高音を強調するのは、主に加齢性難聴の場合、高音域の聴力が落ちていることが多いため、そこを補う狙いがあります。

コストもそこまでかからないのでおすすめです。

難聴者・高齢者用電話機

音量増幅と音程調整でより明瞭な音声に大きなボタンで押しやすい高性能電話機です。(ジャンボプラスHD60Jの後継機)

ハンズフリー通話も可能

固定電話から携帯電話をメインに使用する

現在携帯電話を使用しているのであれば、メインを携帯電話にしてしまうのも一つの手です。着信があった際、スピーカーに切り替えて使用するとさらに聞き取りやすくなります。また、VoLTE対応の新しい機種に買い替えるのも良いと思います。ただし、前述のとおりキャリアが違ったり、相手によっては従来通りの音質になってしまう場合もあります。

 

補聴器をする

難聴の程度にもよりますが、普段の会話も聞き返しが大きかったり、聞き間違いが多いようであれば補聴器を選択肢に入れても良いかもしれません。コスト面では一番高くなるので、現在の状況に応じて検討しましょう。

補聴器の場合は、中でも耳あな型の方が電話は聞きやすくなります。耳掛け型の場合、音を拾うマイク位置の関係で少し聞きにくくなる場合があります。

また、最新のデジタル補聴器は、無線接続により携帯電話に直接音声を届けることが可能となっているので、携帯電話との相性はとても良くなりました。

補聴器の場合は専門家に相談しましょう。

 

まとめ

電話が聞き取りにくい場合の対処法で一番簡単なのは、電話の受話器に増幅器を付けることですが、おすすめは、メインを携帯電話にすることかなと、個人的には思います。普段の聞こえも聞こえにくいようであれば、補聴器を検討してみるのも良いかもしれません。


テレビが聞こえにくい時の7つの対処法はコチラの記事を参考にしてください。

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