補聴器について

補聴器について

補聴器は聞こえを補い、あなたの生活を豊かにしてくれます。そんな補聴器についてまとめました。

世界トップ5メーカー

世界トップ5メーカー

世の中に補聴器を製造販売している会社はたくさんありますが、自社で研究開発している会社となると、そう多くはありません。

補聴器の核となるチップの開発には莫大な費用が掛かるため、世界規模の販売網を持っていないと生き残るのが難しくなっています。

2020年現在では5つのメーカーが、世界シェアのほとんどを占めています。※2018年までは6大メーカーだったが2019年に合併があり5つになりました。ただし、ブランド名は当面の間6大メーカーで区別されます。

そして、5つのうち3つのメーカーがデンマークに本社がある企業となっています。

残念ながら日本のメーカーは入っていません。ちなみに日本の老舗メーカーのシェアは、わずか1%~2%といわれています。

デンマークと補聴器の組み合わせを意外に思われるかもしれませんが、これはデンマークが高福祉国家であることが関係しています。デンマークは消費税率25%、国民負担率70%(日本は約40%)とかなり納税率が高い国です。高い税金の代わりに質の高い福祉政策を実現させているのです。

補聴器の普及率を見るとその差は歴然で、日本の普及率13.5%に対して、デンマークの普及率は47.8%と3倍以上です。

また、デンマークでは、16ある県のほとんどに聴覚研究所があり、市町村のサポートをしています。日本では補聴器の公的補助は成人の場合、障害者手帳の交付が条件なので、必然的に高度難聴以上が対象でかなり厳しい基準になっているのです。

    

2019年にワイデックス(デンマーク)とシバントス(シンガポール)が合併して、「WSオージオロジー」という世界シェア第3位のグループが誕生しました。

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世界トップ6ブランド    ミラックス取り扱いメーカー

フォナック(スイス)1947年設立ソノヴァホールディンググループ  

GNリサウンド(デンマーク)1869年設立GN store Nordグループ   

【WSオージオロジーグループ】2019年ワイデックスとシバントスグループが合併

シグニア(シンガポール)(旧シーメンス)2015年設立(1878年設立)  

ワイデックス(デンマーク)1956年設立

オーティコン(デンマーク)1904年設立ウィリアム・デマント・ホールディンググループ

スターキー(アメリカ)1967年設立

フォナックについて詳しく見る

シーメンス・シグニアについて詳しく見る

GNリサウンドについて詳しく見る

 


補聴器の仕組みと機能

最新のデジタル補聴器はマイクで拾った音を単に大きくするだけではなく、入ってきた音を細かく分析し、デジタル処理で音を加工することによって聞きやすくするさまざまな機能が備わっています。

基本的な仕組みはどんな形の補聴器でも同じで、マイクで集音し、アンプで音を加工・増幅してレシーバーで音を出します。

 

最近の補聴器は完全デジタル化になり、一昔前の補聴器とは比べ物にならないくらい性能が良くなっています。

補聴器が完全デジタル化したのが1990年代後半ですが、これはインターネットが一般に普及し始めた時期と重なります。ご存じのとおり、パソコンの技術革新のスピードはすさまじく、今や片手に収まるスマートフォンで無限の可能性を生み出しています。

そして、補聴器にも同じことが起きています。小さくて高性能、高機能、しかも全自動で装用者は補聴器をしているだけで特別な操作をする必要がなくなってきました。


雑音抑制機能

音声の聞き取りに邪魔になる雑音。

「雑音はなくして会話だけを聞き取りたい」補聴器に携わるすべての人の願いです。雑音とはいえ実際に存在している音なので、まったくない状態にするのは不自然ですし、危険察知の観点からも望ましくありません。

ただし、補聴器の装用経験がない難聴の方にとっては、多くの雑音に慣れていないためうるさく感じてしまいます。そこで搭載されているのが、装用者の負担を少しでも減らすための雑音抑制機能です。現在主流のデジタル補聴器は、さまざまな雑音に対処するため、6種類もの異なった雑音対策処理を行っています。

  1. 食器のカチャカチャ音
  2. 空調の音
  3. 電車が通過した時の音
  4. 風切音
  5. 人の多い場所でのガヤガヤ音
  6. 補聴器内部の自己雑音(周りが静かだと出てくる雑音)

 

これら性質の違う雑音に対して補聴器は、それぞれ異なるアプローチで処理していきます。

常に変化する音情報を瞬時に処理するデジタル補聴器は、最新テクノロジーのおかげでますます使いやすいものに進歩しているのです。ちなみに、こういった機能がすべてのデジタル補聴器に備わっているわけではありません。

補聴器のランクによっては搭載されていない機能もあるので、専門家に聞いてみると良いでしょう。

ハウリング抑制機能

昔の補聴器はやたらピーピーと音が漏れてしまい、会話は聞きにくくなるし、周りの迷惑になるし、とても厄介な「ハウリング」という現象が起こっていました。

これは、イヤホンから出た音が漏れて補聴器のマイクが拾ってしまい、漏れた音だけを再び増幅してしまうことを繰り返して起こる現象です。ハウリング抑制機能自体は1990年代には開発されていましたが、年々精度を上げていき、この技術革新により穴の開いた耳栓の使用が可能となり、今までにない快適な装用感を得ることが可能となりました。

もし、まわりでピーピー音が鳴っている補聴器を使用している人がいたら、可能性としては以下の可能性があります。

  • 集音器で補聴器ではない
  • 昔の補聴器
  • 故障している
  • 耳栓のサイズと耳の穴のサイズが合っていない
  • 音が大きすぎる

基本的に最近の補聴器でハウリングはまず起こりませんので、頻繁に起こるようであれば調整が不十分か耳栓が合っていないかのどちらかです。早めにお店で調整してもらいましょう。

その他にも

両耳無線通信機能、テレビの音声などを直接聞ける通信機能、環境音や音楽を認識して自動で聞こえを調整してくれる全自動機能など、たくさんの機能が補聴器には備わっています。

これらの機能は、基本的に自身が操作をすることはありません。装用するだけであとは補聴器が環境に応じて適切に働いてくれるのです。


補聴器と集音器の違い

見た目やイメージはほとんど変わらない補聴器と集音器、でも価格は5倍~20倍も違います。実は似て非なる物であるこの2つ、いったい何が違うのでしょうか。詳しく解説していきます。

補聴器は基本的に通販では売っていない

テレビショッピングやインターネット通販サイト、通販カタログで売られている商品のほとんどは集音器です。良く説明を読んでみると「助聴器」「補聴器風」「補聴器タイプ」などと書かれているのがわかると思います。

なぜ、補聴器が通販で売られていないのか、それは「補聴器は音の調整が必要」だからです。個々人の聴力データに合わせて、調整が必要な医療機器ですので、通販には向いていないアイテムなのです。

ただし、調整が出来ないタイプの補聴器はあります。

集音器は音を大きくするだけ

音を大きくして、聞こえやすくしてくれるのは補聴器も集音器も同じです。

ただし、補聴器が入力音圧や雑音環境の変化、聴力データをもとに周波数ごとで音の大きさを変えているのに対して、集音器はすべて同じ割合いで大きくするだけのものです。

そもそも使用用途が違う

補聴器の装用は聴覚のリハビリテーションです。

聞こえにくい状態に慣れてしまった脳をもう一度聞こえる脳に戻し、難聴(弁別能)の進行を抑えるのが目的です。

集音器は調整が不可能なのでリハビリテーションには向いておらず、使用は限定的なものになります。

集音器が活躍できるケース

聴力レベルが中等度以上の水平型の場合で、静かな環境での使用であれば集音器も活躍できるかもしれません。

補聴器
  • 管理医療機器で厚生労働省の認可を受けています。
  • 入ってくる音の大きさによって出す音の大きさを自動調整します。
  • 周囲の環境雑音を抑制します。
  • 聴力データに合わせて専門家が調整を行います。
集音器
  • 管理医療機器ではありません。
  • 音量の大小のみを本人が操作します。
  • 調整が不可能なので使用は限定的である。

補聴器のタイプと価格

現在、市販されている補聴器は主に3種類あります。

  • 耳かけ型(約5万円~55万円)・・・耳にかけて使用するタイプで、RICタイプという小型タイプから大きなハイパワー型まであり、最近は充電式タイプも発売されています。
  • 耳あな型(約10万円~55万円)・・・耳の型を採って作るタイプで、耳のあなに納まるタイプから耳のあなの入り口付近を覆うような大型なタイプまであります。
  • ポケット型(約4万円~10万円)・・・単三電池を使用する大型のタイプでイヤホンが有線で本体とつながっており、ポケットなどに入れて使用します。
  • その他・・・骨伝導補聴器などもありますが現在はあまり使用されていません。

おおよそ、耳かけ型が60%、耳あな型が35%、その他が5%の使用率となっています。耳かけ型はRICタイプの発売によりその割合が急激に増えています。これからも増えていきそうです。

【耳かけ型と耳あな型の違い】

形状以外は基本的には同じです。

中に入っている器機はほとんど同じなので価格もほとんど変わりません。しかし、鼓膜への音の伝わり方は変わってくるので、補聴器が出している音は同じでも、聴力レベルによって音の感じ方は違ってきます。

また、耳あな型は耳型を採取してオーダーメードになるので1台1万円位高くなります。機種選択は専門家に選択可能なタイプを教えてもらい、自分の希望と照らし合わせて決定するとよいでしょう。


電池について

補聴器は電子機器なので電源が必要になってきます。基本的に電池で動く補聴器ですが、その種類は使用する補聴器によって異なります。

【補聴器以外ではあまり使用されていない空気電池】

空気電池は電極のプラス面に小さな穴がいくつか開いていて、その穴から空気が入ることによって発電する仕組みです。

一度空気に触れると、シールを貼り直したとしても発電は止まりません。そのため、通常プラス面にはシールが貼られており空気に触れないようになっています。

放電時の電圧が一定で変動が少く、サイズの割には容量が多くて値段も安価なので、一日中使用する補聴器に向いていると言えます。

ただし苦手なところもあります。

気温が5度以下だと発電しにくくなり、二酸化炭素が多い環境だと消耗が早くなります。

4種類の空気電池

世界共通に色分けされていて、品番だけでなく色でも区別がつくようになっています。サイズの小さい順に並べると以下の通りです。

  • PR536(10A)黄色
  • PR41(312)茶色
  • PR48(13)オレンジ色
  • PR44(675)青色

 

使用済みの電池は自治体により処分方法が異なりますが、補聴器販売店に持っていけば回収してくれます。

最近の流れは充電式

最近は充電式の補聴器もあり、こちらは2種類の電池があります。

主流なのがリチウムイオン電池を採用したもので、短時間充電で長時間使用が可能です。

もう一つは銀亜鉛を採用したもので、通常の空気電池も併用できるハイブリット型です。防水性能や充電時間、電池寿命からみて、リチウムイオン電池に軍配があがるでしょう。【充電式について詳しく知りたい方はコチラ】

※2020年には、ハイブリット型のほとんどがカタログから無くなってしまいました。それだけリチウムイオン電池が優れていたということでしょう。


目立たない補聴器

補聴器の購入を検討するにあたって、ほとんどの人が小さくて目立たないものを希望されます。

自分のウィークポイントやコンプレックスを隠したいと思う気持ちは誰にでもありますから、当然のことだと思います。最近の補聴器は、ひと昔前の補聴器に比べてかなり小型になりました。中には装用しているのがわからいほど小さいものもあります。

テクノロジーの進歩によって部品の小型化が進み、従来の補聴器に比べると驚くほど小さくなっているのです。

補聴器はマイク、アンプ、レシーバー(スピーカー)、バッテリーで出来ています。これらがテクノロジーの進歩によって小さくなり、目立たない補聴器が可能になっています。

耳の穴の中にすっぽりと納まる耳あな型や、レシーバーを耳の穴の中に入れるRICタイプなどがあり、最新のデジタル補聴器は、「小さいのが当たり前」になってきました。そして小さくなっただけでなく、メリットもあります。

それは、小型の補聴器は鼓膜の近くで音を出す構造ため、通常の耳かけ型よりも少ないパワーで音を鼓膜に伝えることができるため、RICタイプであれば、高度難聴でも十分に対応可能なパワーを出すことができるようになったことです。

従来のイメージと違い、最新の補聴器は小型で目立ちにくいものが主流です。ぜひ一度お手に取ってご覧ください。