難聴について

聞こえや難聴について


聞こえるって何?

音はごく微小な空気の圧力変動です。その変動が空気中を伝わり、耳の中の鼓膜を振動させ、最終的に脳が音を認識します。

【音の周波数(Hz)】1秒間に振動する回数を音の周波数といいます。振動の回数が多ければ高い音、少なければ低い音として聞こえます。人の聞こえの範囲は20Hz~20000Hzといわれています。では、ここで普段耳にしている音を周波数で表してみます。

  • セミの鳴き声・・・・・・・4000Hz~5000Hz
  • NHKの時報・・・・・・・・440Hz~880Hz
  • バスなどのエンジン音・・・10Hz~200Hz
  • 人の会話・・・・・・・・・100Hz~4000Hz

【音の強さ(Pa)(dB)】音の強さを表す単位は、圧力の単位であるPa(パスカル)を使います。1気圧が1013hPa=101300Paで、人が感じられる音の大きさは0.00002Pa~200Pa程度といわれていて、かなり微小な圧力変動です。このままPaで表示するには範囲が広すぎて不便なので一般的に音圧レベルdB(デシベル)で表示されます。

デシベル表示にすると、人が感じられる音の強さは0dB~140dBとなります。ちなみに90dB程度の音圧レベルだと人はうるさく感じますが、パスカル表示にすると、たったの1Paです。音がすごく微小な圧力変動であることがよくわかります。

音の強さは聞く距離に影響されますが、一般的な音の大きさをみてみると、下のようになります。

  • ささやき声・・・・・・・・・30dB
  • 静かな場所での会話・・・・・60dB
  • 飛行機のエンジンの近く・・・120dB

ちなみに市販されている耳栓は20dB~30dBほどの遮音性があります。そして軽度の難聴は一般的に30dBHLくらいからだと言われていますので、耳が遠くなりはじめた方は耳栓をしている状態に近いと言えるでしょう。

耳の構造と働き

空気振動である音は外耳道、つまり耳の穴を通って、鼓膜に達し、鼓膜とつながっている耳小骨で固体振動に変換され、次に蝸牛の外リンパ液に満たされた前庭階と鼓室階を通り、固体振動が液体振動に変換されます。

そしてその中央にある蝸牛管のらせん器によって、液体振動が電気信号に変換され、内有毛細胞は周波数に応じて聴神経にインパルスを送ります。

外有毛細胞は音の強さを増幅させたりしながら内有毛細胞の働きを助けています。この様に複雑な過程を経て音は最終的に脳で認識されます。

◆耳の構造

 外耳中耳内耳内耳
器官外耳道 鼓膜耳小骨蝸牛 前庭階
鼓室階 外リンパ液
蝸牛 蝸牛管(中央階)
らせん器(コルチ器) 内リンパ液
外有毛細胞 内有毛細胞
聴神経
音の伝わり方空気振動固体振動液体振動電気信号音として認知

外耳、中耳までに原因がある難聴のことを伝音性難聴、内耳に原因がある場合は感音性難聴、両方に原因がある場合は混合性難聴といいます。

外耳と中耳の病気には中耳炎 真珠腫性中耳炎 滲出性中耳炎鼓膜穿孔 耳垢栓塞などがあり、補聴器装用の前に治療が優先されます。

内耳に原因があるものとして加齢性難聴、突発性難聴、騒音性難聴 などがあり、残念ながら治療の方法はなく、人工内耳や補聴器の装用が有効です。

聴覚のリハビリテーション

補聴器の装用は聴覚のリハビリテーションです。

聞こえにくくなってしまった「脳」を聞こえる「脳」に戻します。

【脳の変化】

年齢とともに悪くなる難聴を加齢性難聴といいます。

若い時は何不自由なく聞こえていた耳も、年齢を重ねるにつれ少しずつ聞こえにくくなってきます。

数年かけて少しずつ落ちていくので自覚するのが遅い傾向にあります。聞こえにくい状態とは、言いかえれば静かな状態です。その静かな聞こえの状態が続くと、脳はいつの間にか「聞こえにくい脳」に変化してしまいます。

【聞こえにくい脳と補聴器】

若い時には聞こえていた音も、「聞こえにくい脳」になると当然、聞こえていない音が多くなってきます。すると、聞き間違いが多くなったり、呼ばれても気が付かなかったり、聞き返しが多くなったりと生活が少し不自由になってきます。

そこで補聴器の出番となるわけですが、この「聞こえにくい脳」の状態で補聴器を装用すると脳はどんな反応を見せるのでしょうか。初めての補聴器装用の感想は、「いろいろな音がしてうるさい」「遠くの音が近くに聞こえる」「雑音ばかり聞こえる」など、かなりの割合で否定的な反応をみせます。なぜなら、今まで聞こえていなかった音が次々と脳に届けられ、脳は興奮状態になり、うるさく感じてしまうのです。

今までは、聞こえてなかったことが通常運転だったので、いきなりさまざまな音情報が入ってくると、脳は処理しきれなくなってしまい、疲れてうるさく感じるのです。

【雑音とは?】

補聴器をしていてうるさく感じている音は、補聴器が勝手に作り出しているわけではなく、実際に存在している音であることを忘れてはいけません。

雑音にもたくさんの種類がありますが、ざっくり言ってしまえば、自分にとって聞く必要のない音が雑音です。極端なことを言えば、自分に関係ない、他人の会話も雑音といえるのです。【雑音の種類】

そういった雑音は、若くて聞こえが良かった時、多少うるさくても無視することができていた音です。難聴になって、聞こえなくなった音ゆえに、いきなり聞こえ始めると無視できなくなってしまい、うるさく感じてしまうのです。

聞えている脳の人には「いつもの邪魔な音」として脳が学習済なので無意識に無視できる。一方で、聞こえにくい脳の人には「新しい邪魔な音」として脳が再学習する必要があるため、無視できない。このように、同じ音なのに聞こえの状態によって脳のとらえ方が違うのです。

【雑音は慣れると気にならなくなる】

世の中は色々な音であふれています。そのいろいろな音をすべて聞いたうえで脳は判断しています。

聞こえにくい脳に聞こえていなかった音を届け続けることによって、脳は必要のない音を雑音として判断できるようになります。

少しずつ時間をかけて落ちてしまった聴力だからこそ、元に戻すのも時間をかけて調整をする必要があるのです。そして、脳が学習すれば、雑音はほとんど気にならなくなります。

アメリカの大規模調査によると、補聴器が適合するまでの平均来店回数は、初回フィッティングを含めて3.5回という報告があります。

ミラックスでは「聞こえにくい脳」から「聞こえている脳」にするためのトレーニング期間が必要だと考えています。補聴器を購入してから調整を繰り返す今までのやり方ではなく、調整をして「聞こえるようになってから」購入していただく、安心プログラムをご用意しております。

 

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両耳装用

人間に限らず哺乳類には左右に一つずつ耳がついています。

これは方向や距離感を認識するためです。

危険を察知しても方向や距離感が掴めなければパニックになってしまいますから左右に必要です。人にとっては音の方向と距離感がわかることによって言葉の聞き取りも向上します。

【以前は日本と欧米で違った両耳装用率】

つい最近まで日本の補聴器装用は片耳が多く、その割合、実に7割が片耳装用でした。本来の耳の働きを考えるとにわかに信じられない数字です。

欧米での両耳装用率は6割から8割ほどですから逆転してしまっています。現在は両耳装用のメリットが知られるようになり、5割近くまで伸びているようで今後はさらに伸びていくでしょう。

【両耳装用のメリット、デメリット】

補聴器は聞き取りを向上させるためのものですから、まあまあ聞こえるよりも、良く聞こえた方が良いに決まってます。ですから左右の聴力に差があるなどの場合を除けば基本的には両耳装用がおすすめです。もちろんメリットだけではなくデメリットもあります。

メリットは聞こえに関することが中心ですが、デメリットは価格と使い勝手です。

昔であればデメリットのところに「うるさくて疲れる」が入っていたかもしれませんが今は雑音抑制機能が優れているので除外しても良いと思います。

むしろ片耳よりも両耳の方が補聴器の音量は下げられるので「疲れにくい」といえます。さらに、最近の補聴器は両耳装用で効果を100%発揮できる機種が増えてきました。

【両耳装用は脳にとっても大切なこと】

両耳でバランスよく聞くことは脳にとって大切なこと。

ご存じのとおり脳には右脳(感情脳)と左脳(言語脳)があります。2つの脳はそれぞれ働きが違うため片方だけあれば良いというものではありません。

耳から入ってきた情報は左右の脳に届けられ処理されますから、左右バランスよく聞くことが大切となるのです。

・メリット

  • 雑音下における言葉の聞き取りの向上
  • 複数人での言葉の聞き取りの向上
  • 音の方向感や距離感、立体感の認識
  • 疲れにくい
  • 聴覚の維持

・デメリット

  • 価格が2台分になる
  • 装用する手間が倍になる

 

耳鳴り

世界人口の約10%~15%の方が常に耳鳴りを感じているそうです。日本の場合だと1200万人~1900万人くらいの方が耳鳴りを感じている計算になります。

【音も強さも人それぞれ】

気にしはじめると少々大変で、気にしないようにすればするほど気になる厄介な症状です。耳鳴りはいつでもどこでも起こります。集中を妨げ、睡眠を妨げる。聞こえ方は人それぞれで、「キーーン」「ジーー」「シ――」「ブーーン」「カチカチ」など、音も強さもいろいろです。

【脳の誤作動?】

原因は何なのでしょうか。あらゆる年齢、環境で起こる可能性がある耳鳴りですが、騒音環境に身を置く職業や高齢者はリスクが高まります。

・大音量の音楽、工事現場の騒音・加齢・投薬の副作用・耳アカのつまりなど原因は他にもあり一つではありません。

【難聴による耳鳴り】

その中でも加齢によるものが多いかもしれませんが、これは聴力低下と関連があるといわれています。

難聴の方の多くは耳鳴りも起こっている場合が多いです。聴力低下により脳に伝わる信号量が減少し問題が起こっている可能性があるといわれています。健聴の場合、小さい音が入ってきた時に蝸牛と呼ばれる器官の有毛細胞が、「小さい音を大きくして脳に伝える」という働きをしています。

それが難聴になると、小さい音の信号が減少することで有毛細胞の働きはほとんどなくなります。すると脳は無音状態なのに感度を上げていき、勝手に音を作り出してしまうのです。

つまり、脳が余計なことをした結果、耳鳴りが起こるわけです。

最近の研究でようやく原因がわかった耳鳴り。2015年にはNHKのためしてガッテンでも特集されていました。

そこで紹介されていた治療法の一つが補聴器を使用したものでした。軽い症状の耳鳴りであれば、充分な睡眠をとることや喫煙習慣をやめる、適度な運動をする。など出来ることから実践していくことが大切でしょうし、難聴があるのであれば補聴器も選択肢の一つではないでしょうか。【失敗しない補聴器購入・安心プログラム】

ひどい耳鳴りで悩んでいる方は、専門に耳鳴り治療を行っている医療機関に頼るのも良いでしょう。耳鳴り外来、耳鳴り難聴外来などで検索すると近くの耳鼻咽喉科が出てくるはずです。まずは専門医に相談することをおすすめいたします。

認知症と難聴の関係

認知症は患者本人の負担はもちろんのこと、そのご家族の負担も大きく、身体的、精神的に参っていしまうことも少なくありません。

認知症は何らかの病気によって脳の神経細胞に問題が起こり、徐々に進行していきます。

有名なところではアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、血管性認知症などがあります。現在、日本の認知症患者数は役462万人(2012年厚生労働省調べ)2025年には患者数は700万人を超えるとみられています。

2015年、政府は新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)を策定し、認知症発症予防の推進と認知症高齢者の日常生活を支える仕組みづくりに取り組み始めました。

【認知症の7つの危険因子】

認知症になる原因は一つとは限りません。生活習慣を見直すことで予防できる場合もあります。新オレンジプランで危険因子としてあげられたものが7つあります。

①加齢 ②高血圧 ③難聴 ④糖尿病 ⑤喫煙 ⑥遺伝 ⑦頭部外傷

ここで「難聴」が出てきました。しかし、難聴になったからといって認知症になるわけではありません。誤解のないように詳しく説明いたします。

【聴覚障害による認知機能低下の広がり】

  • 第一段階・聴覚刺激が減少(注意力の低下、会話の聞き取りの低下)
  • 第二段階・コミュニケーションが困難になる(聞き間違いや、聞き返しの増加)
  • 第三段階・心理的、情緒的影響(孤独、不安、意欲の減退、自信の喪失)
  • 第四段階・社会交流の減少
  • 第五段階・認知機能へ影響

このように段階を経て認知症のリスクが高まっていくのです。難聴になると、今までと同じように会話をしていても、耳から入ってくる聴覚情報が少ないので、聞き間違いが多くなり、会話の内容がわからなくなってしまいます。

「耳から入ってきた情報を脳で処理をして言葉で返す」

この一連のプロセスが難しくなってくるので、今まで当たり前のようにしてきた会話が、思うようにいかなくなり、孤独を感じたり自信をなくしてしまいます。

そうなってくると会話することが苦痛や不安となり、コミュニケーションがさらに減っていくことになります。そして、最終的に認知機能の低下やうつ病の発症リスクが高まるのです。

補聴器を装用して耳から入る聴覚情報を増やし脳が思考する手助けをしましょう。【失敗しない補聴器購入・安心プログラム】

【参考リンク集】

・厚生労働省:認知症施策推進総合戦略(新オレンジプラン)PDF

・日本耳鼻咽喉科学会:難聴と認知症・うつ病”に関する国際シンポジウム(サイト内に動画あり)