Last Updated on 2021年2月16日 by 補聴器専門店ミラックス
補聴器の種類と選び方
聞こえが悪くなって補聴器の購入を検討する場合、いくつかの疑問が出てくるはずです。まず、補聴器を製造しているメーカー、国産なのか海外製なのか、どんな形なのか、価格はどのくらいなのか、興味があるところだと思います。
世界トップ6ブランドを選びましょう
2020年に世界シェアの90%以上を占めているのが世界トップ6ブランドです。
シーメンス・シグニア補聴器、オーチコン補聴器、フォナック補聴器、GNリサウンド補聴器、スターキー補聴器、ワイデックス補聴器です。これらはすべて海外企業です。
※2020年にはシグニア補聴器とワイデックス補聴器が経営統合し、「WSオーディオロジー」という会社が誕生し、5大メーカー、6ブランドになりました。このうち、うち3社が高福祉国家のデンマークを拠点とした企業となってます。
その他のメーカーにはリオン、ユニトロン、ベルトーン、コルチトーン、パナソニック、マキチエなどがありますが、基本的には上記の6ブランドを選べば問題ないと思います。
6ブランドを選ぶメリットとしては、◆最新のテクノロジーを搭載した機種があることと、一世代前の機種であっても6ブランド以外、特に国産メーカーと比べると性能が良い点にあります。補聴器の技術革新はすごい速さで進んでいるので、おのずと開発予算、開発能力に差が出てきます。そして、それは同じ価格を出しても、同じ性能を持っているとは限らないということにつながってきます。
補聴器は、価格も見た目もほとんど変わらないのに、性能に差がある可能性があるので、慎重に検討する必要があります。
補聴器の形状
補聴器の形は、耳かけ型、耳あな型、ポケット型、メガネ一体型などがありますが、2020年現在、主に流通しているタイプは耳かけ型と耳あな型です。特に近年は耳かけ型のRICタイプが選ばれることが多くなってきました。これは補聴器がフルデジタル化して小型化が進み、耳かけ型でも目立たない補聴器が出てきたためです。
※2020年のコロナ禍で、それまでRICタイプが人気でしたが、マスクやメガネとの干渉が気になる方が増え、オーダーメイドの耳穴型の人気が復活してきています。
補聴器の機能
補聴器を装用する目的は会話を聞きやすくするためですが、それを実現するためには様々な工夫が必要です。普段何気なく耳に入ってくる音は最終的に脳で判断され音情報を取捨選択しています。
残念ながら補聴器は脳のような高度な処理はできません。会話以外の不要な音情報もすべて拾います。そこで搭載される機能が「雑音抑制機能」です。さまざまな雑音に対処するため、6種類もの異なった雑音対策処理を行います。
これは明らかに会話ではない音に対して働きかけるのですが、一言で雑音と言っても、以下のように、種類はさまざまで、個別に対処する必要があります。
- 食器のカチャカチャ音
- 空調の音
- 電車が通過した時の音
- 風切音
- 人の多い場所でのガヤガヤ音
- 補聴器内部の自己雑音
そして、もう一つ補聴器に搭載されている機能で重要なのが、「ハウリング抑制機能」です。
補聴器の歴史はこの「ハウリング」との戦いと言っても過言ではありません。雑音は多少我慢はできますが、ハウリングは起きてしまっている時点で満足な聞こえを得ることは不可能だからです。現在では逆位相方式が定着し、以前のようなハウリングリスクは少なくなりました。
最新の機能は、変化する環境音に応じて自動で音を最適化してくれる全自動タイプがあります。ユーザーは補聴器を装用するだけで、複雑な操作をする必要はありません。
電池か充電か
家電や電子機器は、今や充電式が当たり前です。補聴器も例外ではなく、充電式が人気です。電池の入れ替えが面倒であったり、手先に不安を感じているようであれば充電式補聴器が便利です。価格は充電器を買う必要があるため電池式と比べると若干高めですが、電池を買う必要がないのでそこは相殺されているかなと思います。
補聴器の価格
補聴器の価格は下は5万円から上は50万円までかなりの差があります。これは機能の違いによって生まれるわけですが、主に雑音抑制機能の多さ、そして、自動調節機能の精度によって決まります。言い換えれば、体に負担が少なく、より聞こえが改善されるものほど価格は高くなると言えるでしょう。
補聴器の機能に、「チャンネル数」というものがありますが、このチャンネル数が多いほど補聴器の価格は高くなります。
最後に
補聴器を選ぶにあたって、形状や機能、価格といった面から総合的に判断されると思います。
補聴器は管理医療機器です。購入の際は認定補聴器技能者などの専門家がいる専門店で購入することをおすすめいたします。