補聴器が役に立たない原因と解決策

Last Updated on 2020年12月23日 by 補聴器専門店ミラックス

補聴器が役に立たない原因と解決策

 補聴器の役割は聞こえの補助です。聞こえにくくなった状態を改善するためのアイテムなので当然役に立つはずです。しかし、そうはなっていないケースが少なくありません。補聴器を買ったはいいけれど、ほとんど使用していない。

そんな人は案外多いです。

なぜ、それなりの金額を出したのに着けようとしないのでしょうか。テレビの音は大きいし、自分の声も大きい、聞き返しも多く、自分が難聴であるという自覚はあるはずなのに、です。補聴器を購入して「聞く」意欲はあったはずなのに、なぜ補聴器は役に立たず、装用にいたらなかったのでしょうか。必ず原因はあります。

装用にいたらなかった原因は?

A:そもそも補聴器をするのに抵抗があった。

B:ピーピー、ハウリングがしていた。

C:雑音がうるさかった。

D:電池の交換が面倒だった。

E:装用しても効果を実感できなかった。

F:聞こえるけど長時間装用できなかった。

G:音は聞こえるけど会話の内容がわからなかった。

H:装用してない方向からだと聞き取れなかった。

I:たまにしか装用しなかった。

 

問題点と解決策

 

A:そもそも補聴器をするのに抵抗があった。

 

はじめは「聞く」意欲はあったと思うので、補聴器にそこまで抵抗はなかったと思いますが、世間一般ではこういう思いを持っている方は結構多いのではないでしょうか。しかし、世界に目を向けてみるとそのイメージはかなり違います。ヨーロッパやアメリカなどでは「会話がわからない」ことの方が問題であるという考え方が主流で、難聴者の補聴器装用率は30%~40%となっています。一方で日本はというと、、、なんとわずか13.5%の装用率なのです。(ジャパントラック2015)約3分の1です。日本では補聴器に抵抗がある方が多いのです。

 

B:ピーピー、ハウリングがしていた。

 

かつて、私の補聴器のイメージはこれでした。日常生活でハウリングなんてカラオケに行ったときか補聴器かのどちらかしか思いつきません。実際に昔の補聴器はハウリングリスクが非常に高くてピーピー鳴ってました。今はというと、技術革新がありハウリングキャンセラー(ハウリング抑制機能)の性能が飛躍的に良くなりました。最近の補聴器であればほぼハウリングは起こらないはずですし、ある程度は調整で抑えることができます。

 

C:雑音がうるさかった。

 

これもハウリングと一緒で補聴器についてくるマイナスイメージのひとつではないでしょうか。補聴器はその問題を雑音抑制機能で対処します。一口に雑音抑制機能といってもその種類はたくさんあります。雑音の種類によって作用する機能が違います。よく補聴器は値段が高いと言われますが、値段の差はこの機能の差によって生まれると言ってもいいでしょう。【補聴器の機能】

最近のデジタル補聴器は、この雑音抑制機能が優れているので10年前と比べるとかなり改善されています。

 

D:電池の交換が面倒だった。

 

補聴器が電池で動いていること、その電池寿命が短いことは意外と知られていません。補聴器も機械なので電源は必要です。ただしあまり大きくすると目立ってしまうのでバッテリーの大きさに限界があるのです。最近では充電式が各メーカーから発売されているので、このデメリットはなくなりました。

 

E:装用しても効果を実感できなかった。

F:聞こえるけど長時間装用できなかった。

 

この2つに関しては、答えは簡単でEが利得不足。つまり必要な音が出ていない状態で、Fは補聴器の音に慣れる前に音を大きく設定し過ぎた状態だと推測できます。きちんと調整していけばこの問題は対処可能です。実はこの問題がAに出てくる日本の低い装用率と関係しているといっても良いでしょう。

 

 

G:音は聞こえるけど会話の内容がわからなかった。

 

これもよくある問題です。音は入ってくるのに相手が言っている会話の内容がわからない。調整自体は問題ないのに、このような状態になるのは言葉の聞き取り能力に問題がある場合が考えられます。難しい専門用語になりますが、語音弁別測定をして最高語音明瞭度を知る必要があります。補聴器を装用する際には必ず測定する項目ですので、測定をされなかった場合は測定の希望を伝えましょう。実際、測定されず説明もないまま補聴器を購入しトラブルになるケースもあります。

 

H:装用してない方向からだと聞き取れなかった。

 

これは片耳装用の場合です。

意外とこれも多いです。装用してない方向の音は捉えにくいのは当たり前ですが、実はもう一つデメリットがあります。それは騒がしい場所での聞き取りが片耳だとかなり難しくなるのです。(もちろん同じような聴力低下が左右にある場合となります。)【両耳装用】

 

I:たまにしか装用しなかった。

 

必要な時だけ装用する。

会議の時だけ、会合の時だけ使いたい。このような使い方をする方もいるでしょう。しかし、補聴器の装用は聴覚のリハビリなので、この使い方だとなかなかうまくはいきません。せっかく購入した補聴器ですからできるだけ長い時間装用するように心がけると良いと思います。どうしても限定的に使用したいのであれば、補聴器に慣れてからそのような使用方法にすることをおすすめします。

まとめ

補聴器を購入して、装用をあきらめてしまう原因はたくさんありますが、そのほとんどは対処可能です。

そして、補聴器の装用は聴覚のリハビリテーションなので補聴器の音に少しずつ慣れていく必要があります。また、補聴器の購入は、認定補聴器技能者などの専門家がいる専門店で購入されることをおすすめします。

(Visited 229 times, 1 visits today)