聞こえてはいるけれど…「聞き返しと聞き間違い」

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聞き間違いの原因

 難聴の代表的なものといえば「加齢性難聴」です。読んで字のごとく年齢を重ねるごとに聴力が低下し、聞こえにくくなっていきます。

加齢による聴力の低下は、30代から始まると言われていて、誰にでも起こりうるものです。高音域から聞こえにくくなっていき少しづつ範囲が広がっていきます。高音域が聞こえにくくなると、「7時(しちじ)と1時(いちじ)」や「高菜(たかな)と魚(さかな)」などと聞き間違いが生じたりします。

 これらの聞き間違いをローマ字にして分解してみるとその原因がよくわかります。

7時と1時の場合を見てみると【 Shi Chi Ji 】【 I Chi Ji 】となり、【Sh】が抜けて聞こえていることが聞き間違いの原因であると推測できます。

 

会話は、その内容や文脈から常に推測をしながら行っています。日頃からよく話す内容の方が聞き間違いは少なく、予測から外れた言葉が使われると聞き返しや聞き間違いが起こりやすくなります。

 

 例えば、釣りが共通の趣味である友人から「今、高菜送ったから酒のつまみにでもしてください」と電話があった時、「今、送ったから酒のつまみにでもしてください」と聞き間違えることがあるかもしれません。

 しかし、相手がもう少し丁寧に「今、福岡に来ていて、お土産で名産の高菜を送ったから酒のつまみにでもしてください」と言われたらどうでしょうか。

内容は同じでも「福岡名産のお土産」というキーワードがあると魚と高菜どちらなのか判断しやすくなるかと思います。少なくとも自己完結で「魚」だと決めつけずに聞き返すこともあるのではないでしょうか。

 

聞き逃しは誰にだってあるけど、その頻度が問題

 普段の会話では常に丁寧な文章を話すわけではないので、難聴者に限らずいろいろな問題が起こりやすくなります。

 ただ、健聴者の場合は、聞き間違いというのは少なく、聞き逃しや内容の確認が必要だと判断できる一方で、難聴者の場合は、聞き間違いが起こっていること自体を認識していなかったり、聞き逃しても聞こえているふりをして誤魔化す傾向にあります。

 

 ほとんどの加齢性難聴者は、「難聴=聞こえていない」ではなく、「難聴=聞こえにくい」ことによって問題が生じています。

 

 「聞き間違えていて違う内容だとしても自己完結してしまい会話がちぐはぐになる」

もしくは、「内容が理解できるまで何回も聞き返しをするため会話が弾まない」

または「その両方の状態」というのが聞こえの問題点だと思います。

 

 これらを繰り返し続けていると、多くの方は「会話をするのが億劫」になり会話自体が減って行く傾向にあります。

 

さいごに

 補聴器は聞こえていない音を聞こえやすくするのと同時に、「曖昧に聞こえている音」をハッキリと判断が付きやすくしてくれるアイテムとも言えます。判断が付きやすくなればそれだけ会話も弾みますし、集中力も持続しストレスも減ります。聞こえに不便を感じたら、補聴器を検討してみるのもおすすめです。

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