Last Updated on 2021年6月11日 by 補聴器専門店ミラックス
マイクに風が当たると発生する風切り音
補聴器には、音を拾うためのマイクが1つ~3つ搭載されています。小型の耳穴補聴器には、1つであることが多く、耳掛け型補聴器のほとんどが2つのマイクを搭載しています。3つのマイクを搭載している補聴器は、今のところGNリサウンドの耳掛け型補聴器「リサウンド・ワン マリー」だけです。
ごく一般的な補聴器は、2つのマイクが搭載されていて、周囲の音声や環境音を拾い、さまざまな音声処理を施し、会話が聞こえやすくなるようにしています。
会話の天敵は雑音です。音声と同じかそれ以上の大きさの雑音が周囲にあると会話は聞こえにくくなります。音声も雑音も同じ空気振動ですので、音が大きい方が有利に聞こえやすくなります。
風の音は、何かに当たることによって雑音として認識しやすくなります。補聴器の場合は、厄介なことに、音を拾うマイクが耳の外に配置されているため風の影響をもろに受けてしまいます。カラオケなどでマイクに息を吹きかけると「ボーボー」と雑音が発生しますが、基本的にはあれと同じことが起きてしまいます。
強風時の屋外での会話は、補聴器ユーザーにとってはとても過酷な聴取環境です。強風で音声が流されてしまうのと同時に風切り音が発生しますので、聞き取りはかなり難しくなります。
対策方法
各メーカー、風切り音の抑制機能を搭載した補聴器をリリースしていますが、効果はクラスによって異なってきますので、解決しているとは言えません。
風雑音を抑えるのに有効な手段は、マイクを風に晒さないようにするか、マイクの配置場所の工夫です。
マイクに風が当たらないように耳当てをしたり、フードをかぶったりすることで、ある程度軽減できます。また、物理的に風を受けにくい場所にマイクを配置すれば、それだけ風切り音は発生しにくくなります。
風雑音に強い耳穴型補聴器
耳穴型補聴器は、GNリサウンドの「外マイク耳穴型補聴器」がおすすめです。このタイプの補聴器は、マイクを補聴器本体の外に出して、耳の上の方のくぼみ(シンバ・耳甲介艇)に配置することで風雑音を抑制することができます。リサウンドのオリジナルモデルですので、GNグループ以外のメーカーにはラインナップされていません。
風雑音抑制以外にもメリットがあります。マイクを外に出していることで、補聴器本体を小さく作成できるほか、容量の多い空気電池を選択することも可能です。
外マイク耳穴型補聴器
装用例
外マイク耳穴型補聴器の価格
リサウンド・クアトロシリーズ
クラス | 紛失保証 | 再作保証 | 故障保証 | 両耳価格 | 片耳価格 |
---|---|---|---|---|---|
9 | 2年2回 | ずっと※ | 2年間 | 104万円 | 52万円 |
7 | 2年1回 | ずっと※ | 2年間 | 68万円 | 34万円 |
5 | 1年1回 | 2年間 | 2年間 | 46万円 | 23万円 |
4 | なし | 2年間 | 2年間 | 34万円 | 17万円 |
※生産終了時まで
風雑音に強い耳掛け型補聴器
その他にも、風雑音を軽減してくれる補聴器で、GNリサウンドから2020年に発売された「リサウンド・ワン マリー」があります。この補聴器は、耳掛け型補聴器なのですが、耳に入る耳栓の部分に3つ目のマイクを配置することで、風雑音を軽減し、聞こえをより自然にすることが可能となっています。
詳しくは、「リサウンド・ワン」のページをご覧ください。