中古補聴器が売っていない理由とは?

耳掛け型補聴器3種類

Last Updated on 2020年12月29日 by 補聴器専門店ミラックス

中古補聴器が売っていない理由とは?

 何か欲しい物があるとまずはインターネットで検索して、価格の相場を確認したり、機能や仕様を調べて購入すると思います。商品によっては中古品を探すこともあると思います。中古市場はとても巨大で、住宅から洋服までさまざまな商品が中古として売られています。

 しかし、補聴器の場合、中古品を探しても売っていないことがわかると思います。メルカリやヤフオクなどのフリマサイトやアプリ(個人間売買)ではたまに見かけるようですが、そのほとんどが集音器であり、補聴器ではありません。補聴器は、高額な製品なだけに中古品がないのはなぜなのでしょうか。その理由を解説していきます。

 

理由は薬機法(旧薬事法)

 まず、補聴器は管理医療機器ですので、販売・貸与のためには行政に販売業・貸与業の届出が必要です。ですから、個人が管理医療機器を販売することはできないのです。ちなみに、家庭用マッサージ器も管理医療機器なので、フリマサイトで販売はできません。

では、補聴器販売業者は中古補聴器を取り扱うことが可能なのでしょうか?

 管理医療機器は、薬機法施行規則第170条により、販売業者等は製造販売業者からの指示を遵守する義務があります。つまり、製造販売業者である補聴器メーカーが、品質の安全性や有効性を確保できないと判断した場合は、販売禁止にすることが可能となっています。そもそも補聴器は、※耐用期間が5年となっていますので、メーカーとしては中古品の販売を許可することはあり得ません。

 ※「耐用期間」とは、標準的な使用方法で、修理やオーバーホールなどを繰り返したときに、その機器の安全性など目標値を維持できなくなるとされる寿命みたいなものです。

実際に5年経過すると故障して使用できなくなってしまうというわけではありませんが、一定の基準が必要ということです。

以上の理由から、メーカーは耐用期間を5年と定めているため、何年使用しているか確認ができない中古品の販売を許可するはずがありません。

 

 似たような言葉で「耐用年数」というものがありますが、これは、寿命を表しているわけではなく、減価償却などの税務上の基準ですので、似て非なるものです。


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まとめ

中古で何でも売られている世の中で、管理医療機器は中古販売が実質出来ない仕組みになっています。それには薬機法が関係しています。薬機法は、医薬品、医療機器等の品質と有効性および安全性を確保するためにある法律です。安全に補聴器を使用していただくために参考にしていただけたらと思います。

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