Last Updated on 2022年4月8日 by 補聴器専門店ミラックス
ポケット型(箱型)補聴器のメリットとデメリット
マスクの着用が日常となり、補聴器の需要が高まってきている。マスクを着用した人が話す言葉は、主に高音域が減衰するので、もともと難聴気味だった人にはとても聞き取りにくくなる。ましてや、飛沫防止のシートやアクリル板が目の前にあれば、音声はそれらに遮られてしまうため、さらに聞き取りは悪化する。
それまで補聴器を敬遠していた人たちも、日常の不便さを解消するために補聴器を選択肢に入れ始めているのである。
補聴器には、耳掛け型、耳穴型、そして、ポケット型の3種類があります。(骨導タイプは除く)使用割合としては、耳掛け型が69%近く占めており、耳穴型は約28%となっています。
その中で、現在ではあまり見かけなくなったポケット型補聴器のメリットとデメリットについて解説していきたいと思います。
日本補聴器工業会が発表している2019年国内出荷台数を見てみると、ポケット型は、17,391台、構成比率は2.8%となっています。この数字を見てもわかる通り、辛うじて残っている補聴器タイプと言ってよいと思います。ただ、このコロナ禍では、もしかするとポケット型の需要が高まるかもしれません。
その理由は、ポケット型のメリットにあります。今までは、メリットよりもデメリットの方が大きく、選択肢から除外されてきましたが、特定の条件下では、ポケット型の選択も考慮しても良いと思います。
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メリットとデメリット
メリット
- 本体が大きく扱いやすい
- 価格が安い
- 電池の持ちが良い
- 軽度から重度まで対応している
- トリマー式はご自身で簡単な調整が可能
- 操作方法が簡単
- 紛失しにくい
デメリット
- 本体が大きい
- 細かな調整ができない
- 本体とイヤホンがコードでつながっている
- 雑音抑制機能の精度が良くない
- 持ち運びに適さない
- ポケットに入れると衣服のこすれる音がうるさい
ポケット型のおすすめ使用環境
ポケット型の最大の特長は、シンプルな操作性にあります。価格も5万円前後でお手軽と言えるためプレゼントにご購入される方も多いです。ただし、周囲の音環境がうるさかったりすると、使い勝手はあまり良くありません。逆に言えば、家の中で比較的雑音が少ない環境で、使用者が頻繁に動き回らないような状況であれば、ポケット型にも活躍の場はあると考えられます。
ポケット型にはアナログとデジタルがありますが、アナログ式の場合、以前から使用している人以外は選択肢に入れなくて良いと思います。アナログ式はとても音量感があるので、慣れていないとうるさく感じてしまいます。はじめて補聴器を使用する場合は、デジタル式をおすすめいたします。
ポケット型は、個人の聴力に合わせた細かな調整ができないのですが、トリマー式補聴器の場合は、高音域と低音域の調整器が付いています。また、過剰な音が出ないようにする出力制限装置を搭載しています。もし、ご自身の聴力データをお持ちならば、専門家に依頼して調整をしてもらうとより良い聞こえとなります。
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おすすめのポケット型補聴器
コルチトーン補聴器
1957年創業の老舗補聴器メーカー、60年以上補聴器の開発と製造を行っている国内メーカーです。TH-33シリーズは、「TH-33DW」が広帯域デジタルタイプで軽度から高度難聴まで対応しています。また、「TH33-DP」は、ハイパワータイプで重度難聴にも対応しています。いずれのタイプもトリマー式なので高音域・低音域の調整と出力制限が可能です。
【TH-33ポケット型】
【TH-33DW】
【TH-33DP】