実耳測定/REMによる調整方法として、手動と自動によるものがあります。すべての補聴器メーカーのものを自動で調整できれば良いのですが、実耳測定器との互換性がないと自動算出機能を使用することはできません。
目標利得を自動算出
目標利得(ターゲットゲイン)とは、ユーザーの気骨導聴力データ、裸耳利得データ、シェルや耳栓のベント設定、補聴器経験値を元にフィッティング処方式によって算出された補聴器の周波数ごとの音量のことです。
聴力データや裸耳利得データは個人差が大きいので、テレビのボリュームのように一律に音量を大きくしても聞こえはよくなりません。ユーザーのデータに応じて必ず周波数ごとに最適な利得(増幅度合い)を設定する必要があります。
ユーザーの裸耳利得データを基準に計算
実耳測定では、ユーザーの裸耳利得データを測り、その値を基準とし処方式によって目標利得を算出します。
手動での調整
算出された目標利得に補聴器から出ている音を照らし合わせながら調整をしていきます。そうすることで過不足の無いバランスの取れた利得設定をすることが出来ます。デメリットとしては調整に時間がかかる点です。
もっとも、従来の実耳測定を行わない調整に比べればかなりの時間短縮になります。
自動での調整
自動算出機能を使用した場合、測定時間短縮とより正確な利得調整が可能となります。
手動との違いは、裸耳利得データの測定から利得設定までをシームレスに行える点です。
測定中は、ユーザーが装着した補聴器から出ている音を測定器が拾い鼓膜に適切な音量を届けられるように自動で調整します。
最大のメリットは連続した周波数調整が可能なため手動よりもさらにバランスが良い利得設定になることです。また、測定にかかる時間も短縮されるためユーザーの負担も軽減されます。
ミラックスで利用できる自動算出可能なメーカー
ミラックスでは取り扱いメーカーである「シグニア補聴器」「フォナック補聴器」「GNリサウンド補聴器」が目標利得の自動算出が可能で、シグニアは「AutoFit」、フォナックは「ターゲットマッチ2.0」、GNリサウンドは「オートREM」機能となっております。
シグニア・Autofit
フォナック・TargetMatch2.0
リサウンド・オートREM
さらにミラックスでは、実耳測定オプションであるスピーチマッピングでの微調整も行うことが可能なので、より聞こえ満足度が向上します。
スピーチマッピング