音が伝わる経路
会話は脳で聞いています。
その経路には気導と骨導の2つがあります。
気導
音は空気の振動ですが、その振動が外耳道、鼓膜、耳小骨、前庭窓、蝸牛、聴神経、脳と伝わっていき音を聞くこととなります。
空気の振動はそのまま脳に振動として伝わるわけではありません。空気振動は固体振動、液体振動、そして電気信号へと変換され脳が音として認識します。
骨導
骨導の経路は外耳と中耳を通りません。頭蓋骨から蝸牛、聴神経、脳と伝わっていきます。
他人の声は気導経路から聞いている一方で、自分自身の声の約8割は骨導で聞いており、残りの2割が気導から聞いていると言われています。
自分の声を録音して聞くと他人が話しているような違和感を感じるのはこのためです。
難聴の種類
難聴の中でも加齢性難聴と言われている難聴は、電気信号に変換する内耳(有毛細胞)に問題があるもので、これを感音難聴と言います。
外耳と中耳に問題がある場合は治療の余地があり、これを伝音難聴と言います。そして2つが合わさった難聴を混合難聴と言います。
難聴と補聴器
基本的に補聴器が活躍するのは感音難聴で、伝音難聴は治療が終わった後の選択肢として補聴器が挙げられます。
感音難聴の原因となる有毛細胞には外有毛細胞と内有毛細胞とがあり、それらが損傷してしまうことで周波数ごとの反応ができにくくなり難聴が起こります。
音を増幅するだけの集音器と違い、補聴器は内耳の有毛細胞の働きを模倣し音を増幅します。これはデジタル補聴器へ進化することで可能となりました。
周波数ごとの聴力を測定し、補聴器を調整していくことでより聞こえの改善が見込めます。
補聴器の価格の違い
補聴器には両耳で120万円ほどするプレミアムクラスがあります。高価格帯の補聴器はチャンネル数が多く、このチャンネル数が多いほど周波数ごとの調整が細かく行えるため、その分音声がクリアになり快適性が増します。
さいごに
会話は脳で聞きます。
脳で正しく会話を聞くためには、電気信号に変換する段階で必要な音情報があることが条件です。聞こえにくさを感じたら補聴器を選択肢に入れてみましょう。
そして、相談は耳鼻科や認定補聴器専門店などに相談しましょう。