補聴器専門店が行ういろいろな聴力測定

オージオグラム

Last Updated on 2022年3月8日 by 補聴器専門店ミラックス

専門店の聴力測定

補聴器をするにあたって、事前にいろいろな測定をして聞こえの状態を把握する必要があります。一般に聴力測定と言えば、健康診断などでやるヘッドホンから聞こえてくるピーピー音に反応してボタンを押すものだと思います。

これは純音気導聴力測定というもので、音の高さ(周波数)音の大きさ(音圧)を変えて、その人がギリギリ聞こえる「最小可聴閾値」を測定します。

専門店ではこのほかにもいろいろな測定を行います。純音骨導聴力測定、最高語音明瞭度測定、補聴効果測定などです。

 

これらは補聴器を調整するにあたり必要な測定です。逆に言えば、これらの測定をしないと十分な調整は難しいということになります。また、これらの測定に加えて、補聴器が正常に働いているかを測定する補聴器特性測定装置というものも補聴器専門店には完備されています。

使用する機器

聴力測定にはオージオメーターと呼ばれる機器を使用し、通常は防音室などの雑音が少ない状態で行われます。大型の防音設備がある場合はスピーカーを設置して補聴効果測定なども行われます。

聴力測定の種類

補聴器専門店における聴力測定には大きく分けて、純音聴力測定、語音聴力測定、補聴器効果測定の3つがあります。わかりやすいように表にまとめてみました。難聴の種類についてはこちらをご覧ください。⇒⇒⇒「聞こえについて」

種類内容説明①説明②
純音聴力測定①気導聴力測定外耳から入る音の状態を測定(最小可聴閾値)通常の測定で、ピーピーなどの音を聞いて、少しでも聞こえたらボタンを押す防音室でヘッドホンをして行います
純音聴力測定②骨導聴力測定直接神経に入る音の状態を測定(最小可聴閾値)骨伝導の測定で、気導と同じようにピーピーと少しでも聞こえたらボタンを押す防音室で振動する機器を耳の後ろに装着して行います
語音聴力測定語音弁別能測定言葉の聞き取りの状態を測定「あ」や「き」といった言葉を音の大きさを変えて正答率を測定、一番良い正答率を最高語音明瞭度といいます防音室や静かな環境で、スピーカーを使用、または肉声で行います
補聴器効果測定装用閾値測定補聴器の装用効果を測定補聴器を装用した状態で周波数ごとに聴力を測定、また、通常の音の大きさで、語音弁別能の正答率を測定防音室や静かな環境でスピーカーを使用、または肉声で行います

聴力レベル

これらの測定結果をもとに補聴器を調整していくわけですが、難聴のレベルによっては補聴器の形状に向き不向きが出てくる場合があります。聴力レベルは軽度、中等度、高度、重度の4段階に分けられています。最近の補聴器は性能が良くなっているので、小型タイプでも幅広い聴力に対応していますが、適切な機種選択がより満足度の高い結果につながります。

分類レベル状態補聴器
正常25dB以下特に問題なし必要ない
軽度難聴26-40dB小さい声での会話の聞き取りが苦手仕事などで必要な場合は検討
中等度難聴41-70dB普通の会話で不便を感じます補聴器の装用をおススメ
高度難聴71-90dB大きい声でも聞き取りにくい補聴器が必要
重度難聴91dB以上補聴器でも聞き取りにくい補聴器装用の価値はある

表にもあるように、40dB以上の難聴になってくると日常生活で「?」が増えてきます。この中等度以上の難聴が補聴器装用の目安と言われています。そして、本人が難聴を自覚するのもこの中等度難聴からの場合がほとんどです。

難聴の状態は脳に音の信号が伝わりにくい状態です。聞き取りにくい状態を常態化することは望ましいことではありません。補聴器をすることによって聴力が衰えてしまうことはありませんので、不便を感じたら補聴器の装用を検討してみると良いでしょう。

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