内耳のダメージが聞こえを悪くする

 耳には、聴覚関係の器官と平衡感覚やその他の機能などに関係する部分(耳石器と半規管)があります。

 聴覚関係とは、耳(外耳、中耳、内耳)、神経系、脳と言った部分ですが、難聴はこの聴覚関係の器官に何かしらの問題がある状態です。

 難聴の中で一番多いのが加齢性難聴と言われる難聴で、その名の通り、年齢を重ねていくにつれ自然と聴力が低下していくものです。

加齢性難聴、内耳のダメージ

 加齢性難聴は、両側性で高音域から聴力低下が始まり、加齢にしたがって低域におよんでいきます。

加齢性難聴の原因となる部位としては、内耳の蝸牛と呼ばれる中にある有毛細胞の損傷、消失が挙げられます。

 

有毛細胞は再生不可

 この有毛細胞には、内有毛細胞と外有毛細胞と2種類あり、内有毛細胞は約3,500個、外有毛細胞は約12,000個あります。

これらが損傷、消失すると聴力が低下するのですが、その損傷箇所によって聞こえにくくなる周波数帯は変わってきます。

残念ながら、有毛細胞は損傷、消失すると再生することはありません。それゆえ補聴器の装用が必要になってくるわけです。 

 

鳥類の有毛細胞は再生する!

 鳥類は聴覚の有毛細胞を再生することができるらしいです。ほ乳類は再生できなくても鳥類は再生可能なんて世界は不思議でいっぱいです。

 ちなみに、ヒトの可聴範囲は20Hz~20kHzといわれていますが、鳥類の可聴範囲は200Hz~8kHzくらいです。この範囲、偶然ですが、耳鼻科などで聴力検査する範囲とほぼ一緒です。ヒトの会話帯域が鳥の可聴範囲なんですね。

 さらにちなみに、ほ乳類で唯一空中を飛べる鳥のようなルックスのコウモリですが、何と120kHzまで聞くことができるらしいです。超音波ってやつですね。でも、ほ乳類なので有毛細胞の再生はできませんけどね。

さいごに

最近はワイヤレスイヤホンなどで音楽や動画を楽しむ人が増えていますが、音量はほどほどにしておいた方が良いでしょう。強大な音を聞き続けると内耳にダメージを与えてしまいます。少し価格は高くなりますが「ノイズキャンセル機能」が付いたイヤホンで耳に負担が少ない音量で楽しみましょう。

そして、年齢を重ねて聞こえが悪くなってきたら早めに補聴器の装用をして快適な生活を送りましょう。

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