ベートーヴェンの耳
ベートーヴェンがなったと言われている耳硬化症、読んで字のごとく、耳が硬くなる病気です。
硬くなるのは耳全体ではなく、耳小骨のアブミ骨というところが動かなくなります。
ここが動かなくなると中耳から内耳に振動が伝わらなくなり、聴力低下を起こしてしまいます。大人が数年から十数年かけて少しづつ聴力が悪化してくる病気で、両耳の聴力低下が成長期から少しづつ始まり、30代、40代で最も難聴の症状が多くなります。
ホルモンに関係があると言われていて、女性に多いようです。聴力低下は低音の気導聴力から始まります。
手術による治療が可能
耳硬化症は手術により高い確率で改善します。もちろんリスクもあり、アブミ骨の底板に小さな穴を開けるので内耳への影響が出ることがあるそうです。
つまり、感音難聴やめまいが生じる可能性があるということです。手術を希望しない場合は、骨導の聴力は問題ないので、補聴器の装用が効果的です。
耳鼻咽喉科ではもちろんですが、補聴器専門店では聴力測定を行う際に、必ず「骨導聴力」を測定します。ここで、外耳や中耳に問題がある場合は補聴器の装用ではなく、まずは耳鼻咽喉科での適切な治療が最優先となります。
骨導聴力測定
気導聴力測定は、ほとんどの方が馴染みのあるものだと思います。ヘッドフォンでピーピー音を聞いて、聞こえたらボタンを押す。
一方の骨導聴力測定は聞こえてくる音は気導聴力測定と同じピーピー音ですが、音を聞くための受話器は上図のような形をしています。
ちょうど耳の後ろにある出っ張った骨のところに器具を当てて、振動を直接内耳に伝わるように測定します。この2つの測定をすることによって耳のどの部分が原因で難聴になっているのかがわかるようになっています。
ですから、骨導聴力測定は必ず測定してもらうようにしましょう。
※ちなみに骨導聴力値があると補聴器の初期設定がより正確になります。
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