Last Updated on 2024年11月15日 by 補聴器専門店ミラックス
会話のすれ違い
数あるコミュニケーション方法の中で、会話はもっとも多く採用されており簡単で手っ取り早い方法です。
それゆえに様々な誤解が生まれることもあります。これは難聴とは関係なくそこらじゅうで起こっていることです。いわゆる思い込みです。
誤解やすれ違いは、自分が思っていることと相手が思っていることが必ずしも同じとは限らないから起こります。
それを確認する術は多くなく、会話の中で細かく伝えるか、会話の途中で修正を加えるか、もしくは相手からあいまいな部分をその都度確認してもらうかくらいだと思います。
例えば、「パソコン」についての会話があったとして、それがデスクトップなのかノートなのかは「パソコン」という言葉だけではわかりません。もしかしたらiPadのことを指しているかもしれませんし、もっと大きなスーパーコンピュータや量子コンピュータのようなものかもしれません。
話の文脈でお互いの認識が合ってくるのだと思いますが、いきなり一つの言葉で同じ事柄を思い浮かべるのは難しいと思います。
そのあいまいな部分を細かく伝えることがスムーズな会話を成立させると思うのですが、身近な間柄ほど省略しがちなのが問題で、よくあることです。
人は伝えることが好き
基本的に人は喋ることが好きです。自分の思っていることを外に出すのはとても健全で楽しいことだと思います。しかし、喋るだけではコミュニケーションとは言えません。むしろ、コミュニケーションは「聞く」ことから始まります。
話をしっかり聞くことで足りない情報を把握でき、会話を返すことができます。
しかし、難聴になると言葉の情報が曖昧になり聞き間違いが多くなってきます。
また、曖昧になればなるほど推測で会話を進めていくため自分のストーリーを作ってしまい、会話の内容がずれてくることもたびたびです。
健聴者であっても会話のすれ違いは起こるのに、難聴者で何の対策もしていなければスムーズな会話を行うことはとても大変です。
難聴者に限らず、会話の内容と聞こえてくる言葉の種類が合っていないと混乱します。
そこで聞き返して確認を取るわけですが、難聴者の場合はその回数が多くなりがちで、会話はスムーズに行われなくなります。
健聴者の場合はそこまでズレることは少ないですが、難聴者の場合は聞き間違えてしまっているため頻繁にその混乱が起こります。
繰り返しの聞き返しが自信を無くす
難聴者は、そのうち聞き返すことも少なくなっていき、会話の内容も曖昧なままになり、ただ相槌を打つこととなります。こうなってくるとそれはコミュニケーションとは言えず、相手が喋っているだけなのでテレビと同じです。しかも内容は曖昧なままです。
こうなると聞くことへの自信はどんどんなくなっていき、人と喋ることが億劫になってきます。
難聴は音が聞こえないから困るわけではなく、会話の内容が理解しにくくなるから困るのです。それは、難聴者自身もですが、会話相手も同じようなストレスを抱えることとなります。
それがたとえ雑談であったとしても、「会話はまず聞くことからスタートするもの」であると捉えれば、難聴にとっての補聴器がとても役に立つアイテムだと思えるのではないでしょうか。
聞こえの困りごとが出てきたら専門家に相談してみましょう。