補聴器の弱点とその解決方法

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Last Updated on 2020年12月29日 by 補聴器専門店ミラックス

補聴器の弱点とその解決方法

 補聴器は、聞こえを改善するためのアイテムですが、残念ながら万能ではありません。環境によっては聞き取りにくい場合があります。今回は、補聴器が苦手とする場面や音環境とそれらに対する解決方法をご紹介していきます。

 

聞き取りやすい環境と聞き取りにくい環境

 音声を聞き取りやすくするためのアイテムである補聴器は、周囲の環境によってその効果は高くなったり、低くなったりします。まず、ユーザーにとって最も聞き取りやすい環境とは、周囲が静かであることと、相手との距離が1.5m以内であることです。

逆に、聞き取りにくい環境は、周囲がうるさく、相手との距離が離れているほど聞こえにくくなります。また、その他にも補聴器の効果を十分に発揮できない環境があります。

 

聞き取りにくい環境と解決策

これら補聴器が苦手としている環境では、それぞれ異なる解決方法があります。順番に解説していきます。

 

反響する環境に対する解決策

 壁材や部屋の作りなどによって音が反響しやすい環境があります。その場合、反響音を軽減するには、吸音材を壁に貼り付けることが一番手っ取り早いです。そのほか、カーテンなども音を吸音してくれます。

ただ、出先では、そのようなことはできませんので、補聴器の機能を働かせるしかありません。しかし、補聴器の反響音抑制機能はまだ一部の上位機種にしか搭載されていないので、その機種を購入するしか方法はありません。それだけ反響する音を抑えるのは難しいのが実情です。

 

風が強く吹いている屋外での解決策

 補聴器にとって風切り音はとても厄介なものです。補聴器のマイクは風の影響をもろに受けてしまいます。補聴器の機能には風切り音抑制機能が搭載されている機種もありますが、風の強さによってその効果は限定的です。

機能以外の解決策としては、外マイク耳穴型という選択肢もあります。外マイクとは、音を拾うマイク部分を耳の「シンバ」と呼ばれる耳介上部の溝に配置することで、風切り音を軽減します。

 また、外マイク耳穴型は、補聴器本体を小さく作成することができ、電池はPR48(13)を使用することが可能となっています。

 

散歩や車の運転など前を向いての会話の解決策(その1)

 補聴器を使用している方が、たびたび聞き取りにくさを感じていると思われるのが、真横からの会話です。一見聞き取りやすそうですが、実はとても聞き取りにくいです。

 最近の補聴器にはマイクが2つ搭載されていることが多いです。これは、前方の音声と後方の雑音を認識し、雑音抑制が強力に働かせるために必要です。特に耳掛け型補聴器の場合は、本体が耳の後ろにかかっているため、マイクを前方に向ける必要があります。これをマイク指向性と言います。つまり通常、補聴器のマイクは前を向いているものであり、真横は死角となっていることが多いのです。

 最新補聴器の上位機種になると、このマイク指向性を真横や後ろに動かすことが可能です。しかも自動で音声の方向にフォーカスしてくれます。

 

 

散歩や車の運転など前を向いての会話の解決策(その2)

 上位クラスの補聴器ではなくても真横からの会話を聞き取りやすくする方法があります。それは、別売りのマイクを使用することです。最近は、ブルートゥース搭載機種がほとんどですので、各メーカー、マイクアクセサリーを用意しています。

 このマイクアクセサリーの利点は、距離や周囲の音環境に左右されずに音声を受け取れることにあります。ユーザーはマイクを持った相手の音声を、補聴器から直接聞き取りますので聞こえにくさは全くありません。価格も上位機種を購入するよりもぐっと抑えられますので、とてもおすすめです。

マイクアクセサリーの使い方

 

周りがうるさく相手と離れている時の解決策

 この場合も、前述したマイクアクセサリーの利用がもっとも効果を発揮します。レストランや会議など幅広く使用できるのでとても便利です。

 

相手がマスクをしている時の解決策

 コロナの影響で、マスクの着用はこれからも続くと思われます。マスクをした状態で会話をしたとき、マスクが吸音材の役割を果たしてしまい、高音域を中心に減衰します。高音域は子音の聞き取りに必要なパートですので、必然的に聞き取りが悪くなります。

 メーカーの研究によって、どの部分の低下が顕著なのかわかっていますので、専門店で調整をすれば解決します。また、マスクだけではなく、飛沫防止シートやアクリル板など音声が届きにくい環境が増えていますので、それらを踏まえた調整をしてもらうと良いと思います。

 

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まとめ

  • 反響する環境は、上位機種を試してみる。
  • 風が強く吹いている屋外は、風雑音抑制機能か、外マイク耳穴型補聴器を試してみる。
  • 散歩や車の運転など前を向いての会話は、マイク指向性を動かす。もしくは上位機種、マイクアクセサリーを試す。
  • 周りがうるさく相手と離れている時は、マイクアクセサリーを試す。
  • 相手がマスクをしている時は、専門店で高音域の調整をしてもらう。
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