聞こえ度
音声には「聞こえやすさ」の度合いがあります。その音声が、同じ強さ、高さ、長さの時にどれだけ遠くに届くかを比べ、より遠くまで届いた音声は聞こえやすいことになります。
これは、sonority(ソノリティ)「聞こえ度」と呼ばれていて、母音は子音よりも聞こえ度が高く、母音の中では「a」がもっとも高いです。逆に子音の中では「p」「t」「k」などがもっとも低い聞こえ度となります。
日本語は子音の後に母音が付いてくるのに対し、英語は子音で終わる単語も多くあるため、英語と比べると日本語は聞こえ度が高い言語と言えます。
「a」などの母音は500hz付近の低音域に配置されていて聞こえ度が高く、「p」「t」「k」などの子音は2000Hz以降の高音域に配置されており聞こえ度は低いです。
加齢性難聴で聴力が低下しはじめたときに一番初めに影響を受けるのが、高音域の子音の音声となります。
日本語は聞き取りやすい?
もっとも、日本語は英語と違い、子音の後に母音が付いてくるので「p」「t」「k」が多少聞き取れなくても推測で何とかなる部分もあります。
そのかわり、推測するがゆえに聞き間違いが起こりやすいということもあるので、会話に影響は出てきます。いわゆる、「聞こえているけど何を言っているのかわからない」といった状態になりやすいです。
英語の場合は「p」「t」「k」などの子音で終わる単語が多いので(jump、bolt、drinkなど)聞き取りに影響は出やすいでしょう。
もしかするとこの聞こえ度は、補聴器の普及率に少し関係しているかもしれません。
英語圏の難聴者は聞き取れない感覚が強いのに対して、日本語圏の難聴者は聞き間違いをしていているが、音声は聞こえている感覚があるため補聴器の必要性を感じにくいといったことがあるのかもしれません。