難聴者の気持ち
買い物や何かの相談で店舗に行くとき、ご家族と一緒にというケースはとても多いと思います。これは、補聴器に限ったことではないと思います。
補聴器の場合、来店動機としては、聞こえに問題があり不便を感じているからなのですが、少なくない割合で本人としてはできれば補聴器は使用したくないと考えていることがあります。つまり、ご家族の希望での来店が一定数あるのです。
補聴器購入のタイミングというのは、「本人が聞こえに不便を感じている」「本人に自覚はないが家族が不便を感じている」「またはその両方」のいずれかだと思います。
本人が補聴器が必要だと考え行動を起こしている場合は特に問題はありませんが、本人に難聴の自覚があまりなく、聞こえているから問題ないと思っている。しかし、家族としては補聴器を使用してもらいたいという場合は、問題が難しくなりがちです。
補聴器のイメージ
話を聞いていくと本人も前々から聞き取りにくさは感じているようで、共通認識として「耳が少し遠い」ということは自覚されているケースがほとんどですが、いざ、補聴器などの対策を講じる段階になると、「まだ聞こえているから補聴器は必要ない」という結論になってしまうのです。
これは、本人にとって「聞き取りにくい不便さ」と「補聴器を装用するという行為」を天秤にかけたときにどちらに比重がかかっているのかということだと思うのですが、ご家族からすると「常に大きな声で話しかける」「理解するまで何回も繰り返し話す」「内容が伝わっているか判断しにくい」などそれなりにストレスがある状態が継続することを意味しています。
聞こえに不便を感じている方の中には、「大きな声でゆっくり話してもらえれば、まだ聞こえているから補聴器は必要ない」と、考えている方もいるかもしれません。
しかし、補聴器というアイテムは、相手が大きな声でゆっくり話さなくても聞き取りやすくしてくれる、お互いにとって効果の高い有益なアイテムだと知っていただきたいです。
難聴の状態で生活されていると、どこかしらに負担が生じている可能性が高いです。つまり、聞こえの問題はご本人だけの問題ではなく、そのご家族やご友人にまで範囲が広がっている可能性が高いということなのです。
難聴の自覚が出てきたらまずは認定補聴器技能者にご相談くださいませ。