聞こえに関係している骨
人間の体で一番大きい骨は太ももの骨、大腿骨です。身長の約4分の1の長さになります。
そして、人間の体の中で一番小さい骨は耳の中にあります。その大きさは約3mm、名前を「アブミ骨」と言い、この骨は中耳にある耳小骨と呼ばれる3つの骨の一つです。
鼓膜から順に「ツチ骨」「キヌタ骨」「アブミ骨」と配置されていて音を効率よく内耳に伝える役割を担っています。
人間の耳は、空気振動である音を電気信号に変換する器官です。鼓膜に伝わった空気振動は中耳で個体振動に変換され、内耳で電気信号に変換されて脳に送られます。
小さい骨が引き起こす難聴
作曲家ベートーベン先生は、「アブミ骨」が固まってしまう耳硬化症を患っていたと言われています。中耳の耳小骨の最後のパーツであるアブミ骨が硬化してしまうことで内耳に情報が伝わらなくなり聞こえが悪くなる病気です。
骨が「聞こえ」の重要な役割を担っているのも驚きですが、それが人間の体で一番小さい骨だということも驚きです。
ちなみに、加齢とともに聞こえが悪くなる「加齢性難聴」は内耳の蝸牛の中にある有毛細胞のダメージによって引き起こされます。
耳小骨が伝えてくれた個体振動を正確に電気信号に変換できなくなるため、聞こえにくくなります。
さいごに
加齢性難聴は治療での改善は望めませんが、耳硬化症や中耳炎などの中耳に問題がある難聴は治療で改善されますので、必ず耳鼻咽喉科を受診しましょう。