オーダーメイド耳あな型補聴器やイヤモールドを作成する場合、耳型を採取する必要があります。外耳道や耳のくぼみなどの形を粘土のような印象材を注入して採取します。
耳型を採取して作成された補聴器やイヤモールドは、脱落しにくく、音漏れのロスもほとんどなくなるため、補聴器経験が長くなるほど好まれる傾向にあります。
ただし、聴力パターンや補聴器経験の有無によってその満足度には差が出てきますので、専門家に相談すると良いでしょう。
また、耳型採取は認定補聴器技能者などの専門スタッフに採ってもらうと安心です。
外耳の名称
耳型採取で特に重要なのは、下図の星印が付いている、外耳道(がいじどう)、耳珠(じじゅ)、耳甲介艇(じこうかいてい)、耳甲介腔(じこうかいくう)、対珠(ついじゅ)です。上記の部分がしっかり採取されていないと上手く作成できません。
耳の状態
耳の硬さには個人差があり、柔らかい人や硬い人などさまざまです。その他にも「しわ耳」などと呼ばれる耳の皮がたるんでいるような耳もあります。しわ耳の場合は、装着がしにくくなることがあるので、オーダーシートにその旨を記載するとラボの担当者が上手く調整して作成してくれます。
また、外耳道の長さは平均3cmほどで、大抵の人が当てはまりますが、外耳道の向きや穴の大きさには個人差があります。イヤホンや既製の耳栓が外れやすく脱落しやすい人は、外耳道の向きが上向きの場合が多いです。
耳型(インプレッション)採取の注意点
耳型採取の際に質問されると思いますが、過去に耳の手術をされている場合は、必ず申告するようにしましょう。思わぬ事故につながりかねません。
耳型は片耳ずつ採取されるのが一般的です。印象材が耳の中に注入されると圧迫感を感じます。両耳同時に印象材を注入すると、圧迫感が増し不快に感じることが多いです。
まとめ
普段、自分の耳の穴を確認することはほとんどありません。そして、他人と比べて自分の耳が硬いのか柔らかいのか、外耳道の穴は大きいのか、向きは上に向いているのかなどは知る術はないに等しいと思います。
補聴器の専門家はたとえ耳型を採取する必要がなかったとしても、ユーザーの耳の状態を観察し、把握します。疑問に思うことがあるなら遠慮せずに専門家に相談してみましょう。