外耳道のいろいろな形
ワイヤレスイヤホンやコード付きイヤホンを使用していて、頻繁にイヤホンが落ちる、ズレるといった経験をしたことがある人は多いと思います。
脱落の原因のほとんどが外耳道の形状によるものです。穴の大小、穴の向き、カーブの角度など人それぞれで左右でも異なります。
外耳道は、直径約9mm、長さ約30mmと言われていますが、個人差があり、その差は想像しているよりも大きいです。
補聴器の効果
外耳道の形状は補聴器の効果に影響を及ぼします。音は空気の振動なので、鼓膜にどのように補聴器からの音が伝わるかで効果が変わってきます。たとえば、補聴器の音の出口が鼓膜に向いておらず、外耳道の壁に向いている場合は反響しやすくなり、その分ハウリングリスクが高まります。
その他にも耳の穴の大きさと耳栓の大きさが合っていなかったり、聴力に対して耳栓の種類が合っていないなどがあると補聴器の効果は十分に得られません。
補聴器には、耳型を採取して作製する「オーダーメイド耳穴型」や耳掛け型に使用する「イヤモールド」というオーダーメイドの耳栓があります。
耳穴型は耳の穴(外耳道)に補聴器本体を配置するので、必ず型を採取する必要があります。
耳掛け型の耳栓は、少し前まではハウリングの関係でイヤモールドがよく選択されていましたが、現在はハウリング抑制機能の進化によりシリコンゴムの既製品を使用することが多くなっています。
ただし、前述したとおり、聴力や外耳道の形によっては、耳型を採取して外耳道の形に合った補聴器、耳栓を使用した方が補聴器の効果をより確実なものにするケースも多くあります。
耳型採取
オーダー品を作成する際の耳型は、印象材を外耳道に注入して採取します。インプレッションなどとも言われています。耳型採取は認定補聴器技能者などの専門家に採取してもらうと良いでしょう。
耳栓の問題点
聴力パターンによりますが、問題なのは、はじめて補聴器を装用する人にとって、効果が出やすい耳栓ほど音が大きく聞こえる分、負担に感じることがあるということです。
できるだけ装用者の負担を少なくし、なおかつ補聴器を効果のあるものにするためには、装用当初は負担が少ない耳栓を装着し、調整が進むにつれて聴力に適した耳栓、もしくはイヤモールドに変えていくといった工夫が必要になってきます。
このような工夫は、認定補聴器技能者などの専門家が、ユーザーとしっかりコミュニケーションを取りながら進めていくことがポイントとなります。
さいごに
自分の耳の穴の形は、普段見ることはありませんし、どんな形をしているのか想像をすることもないと思います。実際の外耳道の形は個人差が大きいため、既製の耳栓がぴったり合うことは稀です。
補聴器の購入を検討、もしくは現在使用中の補聴器がしっくり来ないなどがあれば、専門家に相談してみてください。その原因は外耳道の形にあるかもしれません。