補聴器の価格と性能の関係

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Last Updated on 2020年12月23日 by 補聴器専門店ミラックス

補聴器の価格と性能の関係

 まず初めに、補聴器と集音器は別物なので、ここではこの2つの違いではなく、あくまでも補聴器の性能や機能の違いによる価格差について説明していきたいと思います。

補聴器というアイテムは「聞く」ための補助器具で、医療機器です。デジタル回路が搭載されたことによってその性能は日々進化しています。補聴器の価格差を説明するうえで、補聴器の進化過程を辿っていくことが一番わかりやすいと思います。

第一期、補聴器の誕生。形状がポケット型、耳掛け型、耳あな型、メガネ型と開発されます。

第二期、デジタル回路搭載。音声がデジタル信号処理されることにより細かな調整が可能となりました。

第三期、無線機能搭載。両耳間連動通信やダイレクト通信が可能となりました。

第一期、1920年代に補聴器が誕生して以降、いろいろな形状が開発されてきました。現在販売されている補聴器の形状の種類は基本的には変わっていません。第二期・第三期、90年代にデジタル化が進みます。

約70年続いたアナログの時代が終わります。ここ25年ほどで補聴器の性能はフルデジタル化によって飛躍的に伸びます。今までのアナログ補聴器では不可能だったことをデジタル補聴器は可能にしてくれました。補聴器の価格差はこのデジタル処理の性能差によるところが大きいです。

違いその1・ハウリング抑制

補聴器装用者にとって一番厄介なのが、ピーピーと補聴器から異音が出るハウリングです。

このハウリングを抑える方法はいくつかありますが、デジタル処理機能でいうと、現在主流なのが逆位相方式と呼ばれるものです。この方式はパターンを多くデータ化されているほど抑制の精度が高くなります。ですので、早くからこの方式を採用したメーカーほどハウリング抑制はとても強力なものとなっています。また、周波数を分割するチャンネル数も関係してきます。チャンネル数が多いほどロスなく正確にハウリングを抑えることができます。

メーカーによってその精度に違いが出てくるハウリング抑制、ハウリングが起きやすい補聴器のメーカーは基本性能が劣っていることになります。補聴器の購入を検討しているのであれば、レンタルなどで試してみて、事前にハウリングリスクを確認してみると良いでしょう。

最新のマイクロチップ搭載で、チャンネル数が多いほど価格は高くなります。

違いその2・雑音抑制

雑音とは、極端に言えば「自分に必要ない、関係ない音」です。補聴器はこの雑音を6種類に分けてそれぞれ異なる処理をして抑えます。つまり、「雑音抑制機能搭載」と謳っていても、それが1種類しか雑音抑制が働いていない場合と、6種類の雑音抑制が働いている場合とではその精度には差が出てくるのです。

1種類の場合は、音環境の変化が乏しいような使用環境に限られます。価格帯としては5万円くらいからとなります。3種類くらいの標準的なクラスで15万円前後からとなります。そして、全種類の最高位機種となると50万円前後となります。

ちなみに上位機種の雑音抑制機能はすべて自動で働くので、装用者が何か特別な操作をすることはありません。【雑音の種類についてはコチラ】

違いその3・チャンネル数

音声をデジタル処理することの利点は、より細かい調整でさまざまな聴力に対応できることです。人は、耳で音を集めて蝸牛で電気信号に変換し脳に情報を送ります。

蝸牛の中には有毛細胞と呼ばれる音を感じ取る細胞があります。この有毛細胞は、入り口付近が高い周波数を分析し、奥に向かうにつれて低い周波数の分析を担います。入り口付近が約20000Hzで最奥付近が約50Hzです。つまり、有毛細胞の損傷箇所によって聞こえが悪くなる周波数帯が決まるのです。

補聴器のカタログに必ず記載されているのが、チャンネル数、もしくはバンド数と呼ばれるものです。これは周波数帯域を複数に分割して、周波数ごとにどれだけ細かく調整できるかという、音を分割できる数です。数字が大きくなるほど原音に近い音を再現できるようになります。

チャンネル数はメーカーによって基準が異なるため単純に比較することはできません。比較はあくまでも、同じメーカーの補聴器同士で比べる必要があります。

チャンネル数が多いほど価格は高くなりますが、その分自然な聞こえに近づきます。そして、調整する際もより細かく調整ができるので好みの音質に近づけることが可能です。購入を検討される際は、メーカーカタログで確認してください。

違いその4・両耳間連動通信機能

言葉を聞き取りやすくするためには、周りの環境に左右されずに言葉だけを強調すれば良いわけですが、残念なことに周囲の影響を受けないようにすることは不可能です。ですが、改善させることは可能です。

それにはまず、周囲の環境がどのような環境なのかを補聴器が認識する必要があります。雑音の種類、音源の方向、会話音の有無などを自動で認識して、装用者にとって最適な音声処理を行います。たとえば、マイクの指向性と呼ばれる機能で、周囲の音を拾う範囲を変えて会話音声を強調したり、後方の雑音を抑えたりします。

価格が安いのは、マイクの向きを手動で切り替える必要があるもので、変更できる範囲も限られているタイプが一番安く10万円前後からです。

そして、ある程度自動で処理してくれるクラスになると20万円前後からとなります。また、上位機種になると、正面の会話だけにマイクを集中させることができる強い指向性を持ったクラスもあり、そのクラスだと25万円前後からとなります。

違いその5・ワイヤレス通信

音声を直接補聴器に届けることで、周囲の音環境に左右されず聞き取りを良くすることが可能な補聴援助システムは、テクノロジーの進化によって、更にその利便性が増してきました。

従来のFM補聴システム、誘導ループ、赤外線通信などの設備や利用可能な機種が限定されていたものに代わり、2.4GHzワイヤレスやBluetoothなどのワイヤレスダイレクト通信はさまざまな機器と連携することが可能になりました。

2019年現在の最新機種のほとんどがBluetooth接続に対応しており、それらの機種はテレビの音声を直接補聴器から聞くことが可能となったり、スマートフォンやケータイにかかってきた電話の音声も補聴器から直接聞くことが可能になりました。

これらのアクセサリーは別途購入の必要があり、2万円~5万円ほどです。

違いその6・その他

その他にも価格に差が出る要素はいろいろあります。メーカーによっては遠隔サポートを受けることができる機種もあります。

これは、専門店に行かなくても自分、もしくはご家族の方がアプリを使用して専門店に調整依頼を出し、お店はその依頼を受けて調整データを作成、送信し、お客様は届いたデータを補聴器にダウンロードするというものです。

まだ、一部の限られたメーカーのサービスですが、補聴器調整の未来の形と言えるでしょう。

その他にも、補聴器のクラスによって保証制度が手厚くなったり、紛失保証が付与されたりするなどの違いもあります。

まとめ

  • ハウリング抑制はメーカーによって精度に差があり、新しい方が精度が高い。
  • チャンネル数は数字が大きいほど自然な聞こえになる。メーカーごとに基準が違うため同じメーカー内で比較する必要がある。
  • 雑音抑制は6種類の処理方法があり、何種類の処理をしているかで価格に差が出る。また、手動で切り替えるものよりも自動切換えの方が価格は高くなる。
  • マイク指向性は両耳間連動通信を行い、音環境に応じて自動でマイクの範囲を調整するほど価格が高くなる。
  • ワイヤレス通信は主に2019年の最新機種に搭載されている機能である。
  • その他、メーカーによって独自の付加価値サービスを提供している。

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