データログでいろいろわかる!
最新のデジタル補聴器には、ユーザーがどのように補聴器を使用しているか、どのような環境で使用しているかを記録する「データロギング」機能が搭載されています。
この機能は、補聴器の調整をする専門家がフィッティングソフトを介して確認するもので、調整を行う際の一助となります。
左右の総使用時間、一日当たりの平均使用時間、環境音の割合、プログラム切り替えの割合、ボリューム操作の変化量などいろいろなことを把握することができます。
データログで使用環境を把握!
補聴器は、搭載されているマイクによって周囲の音環境を集音、分析、処理、加工してユーザーに最適な聞こえを提供しています。ですから、ユーザーが日常でどのような音環境のなかで生活しているのかを記録しているのです。
そして、そのデータログを確認することによって、補聴器が雑音下でどのくらい雑音抑制などの機能を働かせているかがわかるのです。
ユーザーの主訴で多いのが「雑音がうるさい」というものです。しかし、雑音にはいろいろな種類があり、それぞれ異なった雑音抑制機能が働くので、雑音の種類を正確に把握する必要が出てきます。(雑音の種類は6種類ほどある・・・定常雑音、風雑音、エクスパンション、突発・衝撃音、ハウリング、反響音など)
ユーザーにとって雑音はどれも同じ「雑音」なので区別することはなかなか難しいです。そこで、データログを確認しながら実際にうるさく感じている雑音の正体を探っていくとよりピンポイントで雑音抑制を働かせることができます。
たとえば、買い物に行った時などの「ザワザワ」した騒音下でうるさく感じている場合などは、データログを見ればすぐに確認できます。
また、ユーザーが補聴器を正しく使用できているか、音量変更は適切か、左右の使用時間に大きな差はないか等の確認もできるので、調整時にアドバイスを行うこともできます。
さいごに
補聴器の使用経験が豊富なベテランにはあまり必要ないかもしれませんが、補聴器初心者にとっては、調整時に現状を言葉で伝えるのは大変難しいです。そして、調整をするフィッターも漠然とした主訴から推測だけで調整をするのはとても大変です。
データログは、そんなユーザーとフィッターの認識のズレを少なくしてくれるとても有効な機能なのです。