難聴とは音が聞こえにくい状態のことですが、それには「少し聞こえにくい」~「聞こえない」まで段階があります。聴力レベルや言葉の聞き取りの具合によって聞こえにくさは人それぞれです。
難聴のイメージ
「耳が遠い=お年寄り」というイメージは少なからずあると思いますが、実際には高齢者以外にも難聴でお困りの方は多くいらっしゃいます。
高齢者以外の難聴者の多くは、聞こえにくい状態をそのままにしておらず、補聴器装用などの対策を講じることで「耳が遠い」と相手に感じさせていないことも多いです。
一方で、耳が遠くなってきた高齢者は、難聴を自覚していてもすぐに補聴器装用ということにならないケースがあります。そうなると聞き返しや聞き間違いが多くなり、会話の内容が理解しにくくスムーズなコミュニケーションが取りにくくなってきます。
それはつまり、会話をするたびに「えっ?」となりがちで、相手に繰り返し同じ内容を話してもらうということです。
高齢者が補聴器装用をためらう理由の一つとして、「補聴器をすると年寄り臭くて抵抗を感じる」といったことが挙げられると思います。
ここで少し考えていただきたいのが、※会話がスムーズに行えないために年寄りにみられるのか。それとも※補聴器をしているから年寄りにみられるのか。ということです。
言い換えてみると、「聞こえにくく何回も聞き返す、聞き間違えること」と「補聴器をして会話がスムーズなこと」のどちらが相手にとって年齢を感じさせるものなのか。ということです。
自分にとって補聴器の装用は年齢を感じさせるものかもしれませんが、周囲の人たちにとっては、会話がスムーズにいかないことの方が年齢を感じさせるのだと思います。
老眼と年齢
この感覚は老眼鏡の使いはじめに起こることに近いかもしれません。老眼は早い方で40代から始まります。
若い頃は目の調節機能でピントを合わせて読んでいたわけですが、老眼になると裸眼(正視や遠視の場合)では手元の資料が見えにくくなり、焦点距離を調節するために、腕を伸ばして見やすい位置まで離して読むこととなります。
さらに、老眼が進んでくると腕を伸ばし、眉間にしわを寄せながら読むようになっていきます。
本や資料を※腕を伸ばし、眉間にしわを寄せながら読んでいる。のと※メガネを掛けて通常の距離で読んでいる。のとどちらが年齢を感じさせるでしょうか?
捉え方
残念ながら年齢を重ねていくことは不可抗力です。
年齢を重ねることである部分に問題が生じた場合、そのままにして問題がないように振舞うのか、それとも対策を講じて問題をなくす、もしくは軽減していくのか。個人的には後者の方が生活の質はぐっと上がると思いますし、実年齢よりも上に見られることも少ないように思います。
さいごに
最近の補聴器は小型化が進み、目立ちにくくなってきているので、補聴器を装用しているかわかりにくくなっています。聞こえにくさを感じたら耳鼻科や補聴器専門店に相談してみると良いでしょう。