正確な目標利得設定・ターゲットマッチ2.0
フォナック補聴器のフィッティングソフトである「Target」の最新バージョンでは、実耳測定器unity3を使用した目標利得自動算出「ターゲットマッチ2.0」機能が使えるようになりました。
実耳測定が必要な理由
補聴器を設定するうえで必要な情報は、聴力データ(オージオグラム)、裸耳利得データ(外耳道共鳴)、ベント(シェルや耳栓の種類)、補聴器経験の有無(音の大きさを決める)をフィッティングソフトに入力し、処方式によって目標利得(ターゲットゲイン)を算出します。
目標利得とは、周波数ごとの増幅度合のことで、ユーザーの聴力に対して低域から広域までバランスよく増幅されていると聞こえ満足度が高くなります。
裸耳利得データ
設定に必要な情報の中で、裸耳利得データは実耳測定でのみ得ることができます。
しかし、多くの販売店では実耳測定器を導入していないのでユーザーの裸耳利得データを得ることはできません。
そのため、フィッティングソフトにあらかじめ設定されている裸耳利得データ(平均の裸耳利得データ)を採用して目標利得を算出することとなります。
個人差がある裸耳利得
裸耳利得とは外耳道共鳴のことで、実は耳に入ってきた音は、外耳道で共鳴し増幅されます。つまり、鼓膜に伝わるときには音の大きさが周波数ごとに変わって伝わっているのです。
この増幅度合いは外耳道の形状や大きさで異なってくるため個人差がかなりあります。そのため平均の裸耳利得データを採用した場合には必ず誤差が生じるわけです。
誤差が大きいほど調整に時間がかかる
不十分なデータによる目標利得の算出なので誤差があるまま設定した補聴器は、設定後の調整に時間がかかります。なぜなら生じてしまった誤差を周波数ごとに見つけて修正していかなければならないからです。
実耳測定での補聴器設定は、正確な目標利得を算出できるので調整にかかる時間はとても短縮されます。その分ユーザーの負担も少なく、早い段階で補聴器の効果を実感できるというメリットがあります。
その他の実耳測定のメリット
その他、実耳測定のメリットのひとつに、音量感以外は客観的評価による調整であるという点が挙げられます。測定器のマイクで鼓膜面の音圧を測りながら設定していくので、ユーザーは測定音を聞いているだけでよく、応答ボタンを押すなどのアクションは必要なく、とても簡単に補聴器の設定ができます。
フォナック・ターゲットマッチ
実耳測定での設定方法には手動で合わせていく方法と、自動で算出する機能を使用する方法があります。この自動算出機能が「ターゲットマッチ2.0」となります。
この自動算出機能は、導入している実耳測定器とメーカーのフィッティングソフトに互換性があるかで使用できるかどうかで決まります。
ミラックスでは、シバントス社製の実耳測定器「Unity3」を導入しています。
当店取り扱いメーカーのうち、シグニア補聴器は「AutoFit」という機能で自動算出ができ、フォナック補聴器では「ターゲットマッチ2.0」という機能で自動算出することができます。
手動での設定でも従来よりも早く正確に調整できるのに、ターゲットマッチを使用することで、さらに正確に迅速に補聴器を設定、調整することができます。
また、フォナックのオリジナルフィッティング処方式「アダプティブ・フォナック・デジタル2.0」も選択可能となっています。
フォナック補聴器のご購入はターゲットマッチが可能な店舗だとより聞こえ満足度が上がると思いますので導入店をおすすめします。
スピーチマッピング
実耳測定のオプションで「スピーチマッピング」というものがあります。これは、国際音声試験信号<ISTS>を使用する測定方法で、パーセンタイル分析による微調整を行うことでより使いやすい補聴器に設定することができます。