補聴器とメガネの似ているようで似てないところ

ミラ夫とミラ子の笑顔
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補聴器とメガネ

 補聴器というアイテムは、会話を聞こえやすくするためのアイテムなので、難聴者は補聴器をすることで会話が聞きやすくなり、聞き間違えを少なくすることができます。

 この聴力と補聴器の関係は、視力とメガネの関係に似ていると言われます。ただし、少し注意が必要なのは、補聴器がメガネほど多くの人に使用されていないことによる誤解があることです。そして、聞こえの改善には視力矯正にはあまりない過程があることも忘れてはいけません。

 

 メガネの場合、既製老眼鏡とオーダーするメガネの違いというのは、ほとんどの方が理解していると思います。しかし、補聴器となると少し状況が変わるかもしれません。

まず、補聴器には通販で購入する「集音器」タイプと、専門店で購入する「補聴器」に分けることができます。ちなみに通常、補聴器専門店では集音器の取り扱いはありません。

 補聴器とメガネを比較するならば「集音器と既製老眼鏡」、「補聴器とオーダーメガネ」と分けて考える必要があります。

 

それぞれの違い

聴力

  • 集音器、または通販の補聴器・・・自分の聴力に合うものを通販などで購入する。音の増幅割合は商品によって異なる。ほとんどの通販は合わなければ返品が可能。※集音器は課税品なので消費税が掛かります。
  • 補聴器・・・聴力測定を行い、ユーザーの聴力データを補聴器に入力設定し、専門家が調整を行う。細かな調整が可能。はじめての補聴器装用の場合は、聴覚訓練のために複数回の調整が必要となる。※補聴器は非課税品なので消費税は掛かりません。

 

視力

  • 既製老眼鏡・・・自分に合う度数を自分で探して購入する。大体5段階くらいの度数の中から実際にメガネをかけて文字が見やすくなっているかをその場で確認する。
  • オーダーメガネ(運転など日常生活で常用する眼鏡)・・・視力測定を行い左右の度数を決定し、レンズを注文して購入する。乱視の有無や使用する距離によって度数の組み合わせは無数にある。

 

 このようにそれぞれを詳しく説明してみると違いがわかると思います。集音器とオーダーメガネを比べても比較にならないのです。そして、はじめての補聴器装用には視力矯正にはない「聴覚訓練」が必要ということもわかると思います。

聴覚の訓練について

 補聴器を初めて装用すると、今まで聞こえていなかった音がたくさん聞こえてくるようになり、全ての音に意識が行ってしまい、とてもうるさく感じて疲れてしまいます。

 音は360°全方向から耳に届いてきます。

難聴の状態というのは、聞こえている周波数はもちろん、聞こえている範囲、距離も限定されている状態です。つまり、周囲で発生している音情報を正しくキャッチできていないということになります。

 その状態からいきなり良く聞こえる補聴器を装用すると、情報量がいきなり増えるのでうるさく感じてしまうのです。うるさい状態を我慢して装用し続ければそのうち慣れてきますが、それはかなりストレスを伴うことです。

 そこで、はじめての補聴器装用の場合は弱めの設定で周囲の環境音や補聴器の音に慣れる準備期間が必要になってきます。そして、準備期間を経たのちに本格的な調整をユーザーの状態(音に対する感覚など)に合わせて調整していくことが負担の少ない聞こえの改善につながっていきます。

 

まとめ

 補聴器とメガネは似ているところもあれば、異なるところもあります。メガネは使用用途によって合う度数を決定して作製しますが、補聴器は使用用途で合わせるというよりも使用経験の有無によって聴覚訓練をしながらの調整が必要になってきます。

 つまり補聴器は、自分に合う補聴器を購入するというよりは、「購入した補聴器を自分の聴力に合わせていく」ものだと言えます。

 

 補聴器の調整は認定補聴器技能者などの専門家に調整を依頼することが安心だと思います。

 

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