Re:スタートプログラム
補聴器専門店ミラックスでは、2024年6月より「Re:スタート プログラム」を開始しています。このプログラムは他店購入の補聴器を実耳測定(じつじそくてい)によって再設定するもので、譲渡品の再設定は行っておりません。引っ越しや購入後の調整に不満がある方向けのサービスとなっています。
2024年6月より本格的にスタートしたこのサービス、大変好評をいただいておりますが、それはそれで複雑な心境なのが正直なところです。
引っ越しのケースもありますが、数としては調整不良による補聴器の聞こえ満足度が低いお客様からの利用が多いです。
CASE001
今回は、半年前に他店で購入された補聴器が、何度調整しても満足のいくものにならないとのことで、サービスをご利用いただくこととなりました。
お客様の主訴
60代男性、初めての補聴器装用で何度調整しても満足いかないとのことでご来店。
「音は大きく聞こえるが会話の内容がわからない」
「語尾がわからない、はっきりしない」
「何度調整しても良くなったと実感できない」
「現状の補聴器の聞こえに不満がある」
各種聴力測定や実耳測定で再設定
本プログラムは、現状の補聴器の設定を元に再調整を行うのではなく、聴力測定から測定しなおします。その際に、直近の耳鼻科の聴力データがあればそちらを参考にさせていただきます。また、耳栓なども必要に応じて選択しなおします。
ちなみに基本的に実耳測定を行っていて補聴器の調整がうまくいかないことは少ないため、サービスを利用される方は実耳測定を行っていないことがほとんどです。
お客様データ
黒の太線がメインのターゲットで周波数ごとの増幅度合いとなります。
お客様の調整後の評価
実耳測定での調整後に聞こえの評価をお聞きすると、概ね合格点をいただきました。
語音明瞭度もしっかりと確保できており、聞こえ満足度も高い様子でした。
「言葉がはっきり聞こえる」
「まったく別の聞こえ方になっている」
「しばらく使用してみないとわからないが、今までとの違いは良くわかる」
「もっと調べてからお店を決めればよかった」
技能者の感想
今回は、耳栓の選択ミスに始まり、そのままの状態で調整を進めたことで起こったケースでした。耳栓の選択を適切に行い効果測定をしながら調整すればある程度は防げた問題だったと思います。
ただし、実耳測定を行わない調整は、聞こえの合格ライン自体が推定値なため、複数回の調整が必要で時間がかかるのと同時に、評価基準が曖昧なためとても難しくなる傾向にあります。
補聴器の音の大きさに慣れている方であれば、実耳測定での調整はかなり少なくて済みます。今回のケースのように1回で調整できる場合も多いです。
最新デジタル補聴器
補聴器にはいろいろな機能が搭載されており、その搭載されている機能によってクラス分けがされています。高額なほど快適性が高まり、自然な聞こえを実現してくれます。
しかし、それらの機能もユーザーの聴力に対して正しく設定、調整されていないと十分に効果を発揮することはできません。補聴器の購入は実耳測定導入店舗がおすすめです。