補聴器は、比較的お求めやすい機種でも両耳で20万円くらい、高いものだと両耳で100万円を超えるものもあります。
高額な物だから失敗したくない。そう考えるのは当たり前です。
補聴器の特長は、家電製品と違い、性能や機能がいくら優れていても適切な調整がなされないと効果が半減してしまうことです。
現在、補聴器を販売しているお店で、レンタルサービスをしていないお店はほぼありません。
ほとんどのお店で補聴器の貸し出しをしています。ただし、レンタル期間の長さやレンタル期間中に受けるフィッティングの質に関してはお店によってバラつきがあり、可視化しにくい部分もあります。
聴覚リハビリ
補聴器の装用は脳に働きかける「聞こえのリハビリテーション」ですので、すぐに使えるようにはなりません。
装用経験があり、使いこなしている人は別ですが、初めての方にとって補聴器装用は、今まで聞こえていなかった音に慣れるまでの準備期間が必要で、最低でも1週間はかかります。弱めの設定で1週間ほど慣らしてから本格的な調整を行っていくとスムーズに聞こえの改善が見込まれます。
そして、使いこなすにはさらに時間を要するのが補聴器の特徴でもあります。使いこなすまでに複数回の調整を行い、早い方で2か月、ゆっくりな方で6か月くらいかかるのが通常です。
購入前のレンタル
ある補聴器外来で有名な耳鼻咽喉科では、最高で3か月ほど、毎週のように通院をして補聴器の調整を行っているそうです。そして患者さんのほとんどが、最終的に補聴器を使えるようになるといいます。まさにリハビリです。
一般社団法人 日本補聴器販売店協会の2017年市場調査アンケートによると、レンタルを行っている店舗は全体で96.4%とほぼすべての販売店が行っています。
レンタル期間としてはもっとも多いのが2週間の48%、次いで1週間23%、3週間12.2%、1か月10.7%、2か月以上6.1%となっています。
もっとも一般的な期間で2週間、長くても1か月くらいとなっています。この長さだと装用経験者にとっては充分な期間かもしれませんが、2週間だと初心者には短いといえるでしょう。最低でも1か月は試してみることをおすすめします。
そして、ただレンタルするのではなく、自分の聴力に合った調整を段階的に複数回受けることが重要です。認定補聴器技能者などが在籍している専門店では、質の高いフィッティングを受けることが可能ですので相談しましょう。
ジャパントラック2018の調査では、補聴器専門店でフィッティングされ購入した補聴器の満足度は著しく高いというアンケート結果が出ています。より良い聞こえのために上手に補聴器の購入先を選びましょう。また、国や県の福祉センターなどでも補聴器のお試しを行っています。興味のある方は問い合わせて見ると良いでしょう。
参考までに
【国立障害者リハビリテーションセンター病院】
埼玉県所沢市
【神奈川県聴覚障害者福祉センター】
神奈川県藤沢市
【横浜市総合リハビリテーションセンター】※児童発達支援(難聴)子供のみです。
神奈川県横浜市
【補聴器メーカー別専門店検索・認定補聴器技能者検索】
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