補聴器ガイド

--良い補聴器の選び方--

様々な選択肢がある聴覚ケア製品ですが、もっとも一般的なものが「補聴器」です。

補聴器は専門家による対面での調整が基本となります。

聴力データを補聴器に入力し調整していきます。

通販で売られているようなユーザーの聴力データを必要としないものを除き、補聴器は通販での販売や中古品はありません。

補聴器には大きく分けて「耳かけ型」と「耳あな型」があります。

その他にもポケット型や骨伝導眼鏡型などがありますが、あまり一般的ではありません。

2024年現在では、耳かけ型、耳あな型どちらも充電式が発売されています。

また、高度難聴以上は基本的に耳かけ型が向いていますが、耳あな型も選択できるようになってきました。

 

予算などと一緒にご自身の希望を専門家に伝えましょう。

耳の形やサイズ、聴力に合わせて耳栓を選択します。

数種類あるシリコンゴムの既製品からユーザーの耳に合うものを専門家が選択します。

高度難聴以上やオーダーメイド耳あな型は、ユーザーの耳型を採取してイヤモールドやシェルを作成します。

 

耳型を採取して作成するタイプは脱落の心配が少なく、低域の音を鼓膜に効率よく伝えられるため経験者に人気です。

ユーザーの聴力データに基づいて、補聴器の設定を行います。

・裸耳利得データの有無

実耳測定を行うことで、ユーザー個人の裸耳利得データを基準にして計算するため正確な設定を行うことが出来ます。

 

実耳測定器(じつじそくていき)がない場合は、ユーザーの裸耳利得データを得ることが出来ないため、平均値を基準にして補聴器の設定を行います。

この場合、必ず誤差が生じます。

補聴器は調整が必ず必要になるアイテムです。

聴力に合わせて周波数ごとに聞こえを最適化していきます。

 

実耳測定器がある場合は、連続した周波数調整が可能で、自動算出機能を使用すると短時間で正確に調整することが出来ます。

 

ユーザーは測定音を聞いているだけで良いため負担が軽減されます。

 

また、オプション機能の「スピーチマッピング」を行うことでより聞こえ満足度が向上します。

 

実耳測定器がない場合は、周波数ごとにユーザー自身で聞こえるかを判断し、専門家が手動で調整していきます。

ユーザーは測定音を聞いて、応答ボタンを押します。(装用閾値測定)

この効果測定・調整方法は、複数回に分けて行うことで目標値に近づけていきます。

 

補聴器は慣れるまで時間がかかりますが、実耳測定で正確に設定・調整されていると、調整回数が少なく済み、慣れるのも早くなります。

慣れるためには・・・

補聴器はできるだけ毎日装用しましょう。

日常生活で発生している様々な環境音を聞きとり、家族や友人との会話を楽しみましょう。

 

補聴器は精密機器です。

毎日使用するからこそ、お手入れは大切です。

ご自宅でのメンテナンスのほか、耳栓やチューブなどの交換、補聴器についた耳あかの除去などは定期的に専門店でケアしてもらいましょう。

 

また、最新デジタル補聴器は、ファームウェアのアップデートが行われることがあります。

必ずあるわけではありませんが、対象機種の場合は専門店で更新してもらいましょう。